1万円札が減少し、5千円札が増えてきたのはどうしてなのか

(写真:アフロ)

 14日付けの日経新聞に興味深い記事があった。その記事のタイトルは「高額紙幣の需要に明暗 1万円札、脱・現金で10億枚割る」というものである。

 2020年度に新たに印刷される1万円札は初めて10億枚を下回り、5千円札は3年連続で増えるそうである。

 すでに流通している1万円札の伸びも鈍っていて、2019年に市中で流通した1万円札は約104兆円で9年ぶりの低い伸びにとどまったそうである。

 どうして1万円札は減少しているのか。この要因としては記事にもあったが、高額商品を購入する際にクレジットカードを使うことが多いことがあげられる。さらにネット通販の拡大もあって、いわゆるキャッシュレス化によるものといえる。

 それに対して5千円札の増加については、これは反対に、いまだにキャッシュの利用が多いためということができる。商店などで「5千円札が不足しています。ご協力をお願いします」という張り紙をみたことがある人が多いのではなかろうか。

 5千円札の需要が伸びたのは、釣り銭としてのニーズのようである。自販機などではお釣りとして1万円札の需要は当然ないため、5千円札や1千円札の需要が多くなる。1万円札が使える券売機などの設置が増加したこと、さらにコンビニなどでもお釣りの需要として5千円札が必要となっているためと思われる。

 記事では、1万円札の需要減にはタンス預金の減少という理由もありそうだとの指摘もあった。日銀のマイナス金利政策は続いているものの、タンスから預貯金に戻っているのであろうか。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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