日銀の金融政策は現状維持との予想、注目は展望レポートか

(写真:つのだよしお/アフロ)

 20日から21日にかけて、今年初の日銀の金融政策決定会合が開催される。米中の関税戦争は休戦となり、英国の合意なきEU離脱のリスクも後退した。中東の地政学的リスクもひとまず後退した。このように大きなリスクはひとまず後退しつつある。米中の関税合戦により、中国の景気が減速し、世界経済に与える影響も危惧はされるが、いまのところ国内経済が大きく落ち込むような気配はない。物価についても低位ながらも、こちらも前年比でマイナスに落ち込む様子もない。

 国内景気については昨年末にかけて減速していることが窺える。今月15日に日銀が発表した1月の地域経済報告では、北陸、東海、中国の3地域について、景気の判断を引き下げたが、これも想定の範囲内か。

 今年に入り、外部環境、つまり米中の貿易摩擦激化の回避もあり、また政府の経済対策の効果も睨んで、景気は次第に回復してくると日銀は判断しているとみられる。21日に発表される展望レポートでは、2020年度の実質成長率見通しを引き上げるとの観測も出ている。

 今回、日銀は金融政策の現状維持を決定してくることが予想される。よほどのことがない限りは、追加緩和の必要性は認められない。金融市場も金融緩和に対してそれほど期待感を強めているわけでもなく、現状維持としても市場に影響を与えることはないとみられる。

 FRB関係者からは年内に特に政策変更は必要ないのではとの見方も出ているが、日銀も同様に、少なくとも年内は政策変更の必要性は認められないとの認識も強めてくるのではなかろうか。個人的には追加緩和にむけた姿勢をできたら中立に戻すような工夫を期待しているのだが。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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