物価は低迷、どうする日銀

(写真:つのだよしお/アフロ)

 総務省が19日発表した6月の全国消費者物価指数は、総合が前年同月比プラス0.7%、生鮮食品を除く総合が同プラス0.6%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合が同プラス0.5%となった。

 日銀の物価目標ともなっている生鮮食品を除く総合は、前年比で4月のプラス0.9%、5月のプラス0.8%、そして今回のプラス0.7%と前年比の伸び率が縮小している。

 家庭用耐久財や電気代、ガス代などが押し上げたものの、携帯電話の通信料の下落やガソリンがマイナスに転じたことで、伸び率が縮小した。

 10月の消費税の引き上げも控え、これから多少なり駆け込み需要などもあるのではないかと考えられる反面、世界的な景気の減速への懸念もあって物価はなかなか上がりにくい状況にもなってくることも予想される。

 いずれにしても生鮮食品を除く総合は今後もゼロから1%あたりの間での推移が継続することが予想される(10月以降は消費増税による影響を除いた数値)。

 7月30、31日のFOMCでは0.25%の利下げが決定される可能性が強い。0.5%の引き下げでいったん利下げに打ち止め感を出すのではとの見方もある。来年の米大統領選挙もあって、来年後半には金融政策の変更はしづらい面もある。ただし、0.25%にしろ0.5%にしろ、それで打ち止め感を出そうとも政府や市場がそれを許さない可能性はある。ここからは市場との対話がより一層重要になる。大統領との対話が成り立つかどうかは不明ではあるが。

 米利下げ観測に加え、ECBも緩和策を準備しているのではないかとの観測もある。次回の日銀の金融政策決定会合は7月29日、30日となり、FOMCの前となる。FOMCで予防的な利下げを決定する可能性が高く、それによる円高などを警戒しての予防的な金融緩和策を日銀が取ることは現状は考えづらい。30日の決定会合では、公表文の文言などで、より緩和的なスタンスを示すなりの対応を行ってくるのではないかと予想している。ただし、異次元緩和後の物価をみてわかるが、日銀が何かしらの緩和策を取ろうが、消費者物価指数の今後の動向にはほとんど影響は与えないと思われる。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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