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大阪サミットでの米中首脳会談の行方も気掛かり

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 米国のトランプ大統領は、今月の28、29日に大阪で開催される20か国・地域(G20)首脳会合(大阪サミット)で中国の習近平国家主席が会談に応じない場合、新たな対中関税を発動すると警告した(ブルームバーグの記事より)。

 「習主席はG20に参加すると理解している。われわれは会談することになっていると思う」ともトランプ大統領は語ったそうである。

 外交という交渉事にはいろいろと手順があると思われる。今回の米国と中国の通商交渉はもめており、そう簡単に解決出来る問題ではないと思われる。本来であれば閣僚級会議で詰めていく必要があるが、現時点でそれが開催されたとか、開催される予定ということは聞こえてこない。

 8日から9日にかけて福岡で開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議には、米中の閣僚級の交渉役のひとりムニューシン財務長官も出席していたが、中国側と接触を持ったとの報道もなされていない。

 大阪サミットにむけて急遽、閣僚級会議が開かれる可能性もないとはいえないが、時間的に難しいのではなかろうか。

 トランプ大統領は最終的な貿易合意に華為技術(ファーウェイ)が含まれる可能性を再び示唆したようであり、強硬姿勢に変化はない。

 いくらトップ同士の会談となっても簡単に解決できる問題ではない以上、ひとまず会談はするが、今後も話し合いを続けることを決める程度となり、関税が発動される可能性は高いといえるのではなかろうか。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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