令和がスタートして日経平均は7日目にしてやっとプラスに、対照的な平成のスタート
10連休明けの5月7日が令和となってからの金融市場のスタートとなったが、日経平均株価はこの7日から14日までの6営業日は前日比マイナスとなっていた。15日に前日比121円高となり、令和となってからはじめてのプラスとなった。
10連休前の4月26日も日経平均は前日比マイナスとなっていたことから、5月14日まで日経平均は7営業日続落となっており、これは2016年3月29日~4月6日以来、約3年1か月ぶりのこととなる。
今回の下落は国内要因というよりも、米中の貿易摩擦が意識された株式市場の下落であったが、米国の株価指数が高値圏にいたことでの調整売りとの見方もできよう。
年号が変わったことで市場参加者の心理状態に何かしら影響を与えることは考えづらい。令和がスタートしての日経平均の連続安はたまたまと見た方が良いとは思うが、念のため、平成のときはどうであったのかを確認しておきたい。
平成がスタートしたのは、1989年1月8日であるが、この日は日曜日であり、金融市場がスタートしたのは1月9日となる。この日の日経平均株価の終値は30678円39銭。前日比で500円近い上昇となって、過去最高値を更新しての平成相場のスタートとなった。9日から13日まで日経平均は上昇していたが、翌週の17日はマイナスとなった。
この年の株価の基調は上昇トレンドとなっていた。日経平均が3万円台になっていたことからもおわかりのとおり、ここから1989年の年末に向けて、株価は上昇を続けることとなる。同時に地価も上昇を続けており、いわゆるバブルの真っ最中であった。この年の大納会となる12月29日の日経平均の引けの38915円87銭が引け値としての過去最高値を記録した。
現在がバブルであるとは誰も考えていないとは思うものの、米国株式市場をみるとS&P500やナスダックは4月末にかけて過去最高値を更新しており、株価で見る限りは高い位置にいることは確かである。ただし、日本株はだいぶ出遅れ感もあり、日経平均は戻ったとはいってもまだ22000円台あたりとなっていた。
ここからの株価の動向を予測することは難しい。米中の通商交渉の行方も読めない。中東も、ややきな臭くなっており、あらたなテールリスクが起きる可能性も否定はできない。
ただ、日本では令和の時代となり、6月には大阪でG20サミットが開催され、来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催される。2025年には大阪万博も開催されることで、国際色豊かなお祭りムードが続くことが予想される。
このため国内の金融市場も、特に大きなリスクに見舞われない限りは、楽観的な見方も出やすいかもしれない。ただし、リスクは忘れた頃にやってくる。日銀による非常時対応のはずの緩和策は継続しており、金融市場では見えないところで歪みが生じつつあることも確かではなかろうか。