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米中の通商交渉、6月末に大阪で開催されるG20サミットにも注目か

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 米国のトランプ大統領は、中国との協議が成功すると感じている、成功かは3~4週間以内に分かるだろうと発言したそうである。また、米中貿易摩擦は、ささいな口げんかで、中国との通商協議は決裂していないと述べたようである。

 確かに米中の通商交渉は続けるとしており、中国側からは北京での開催も示唆されたようである。これに対して米国サイドはまだ返事をしていないと報じられていたが、閣僚級会議の日程を詰めているようで、米財務省はムニューシン長官がある時点で中国で通商協議を計画することも明らかにした。

 トランプ大統領は成功かどうかわかるのか3~4週間以内としたが、これは6月28、29日に大阪で開催されるG20首脳会合(サミット)も意識したものである可能性がある。トランプ大統領はG20サミットで、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領と会談することを明らかにしており、習近平国家主席と会談して貿易問題について話し合うことを明らかにした。

 このトランプ大統領と習近平国家主席との会談で最終合意するというのが、シナリオなのかもしれないが、どちらがどのように妥協してくるのかはまったく読めず、合意が可能となるのかは依然、不透明なままとなる。

 トランプ大統領はその前に今月25日から28日までの日程で、国賓として来日する。トランプ大統領による国技館での大相撲観戦も予定されているようだが、中国との交渉状況などが、安倍首相との会談などから多少なり明らかにされる可能性もある。

 G20サミットにおける米中首脳会談についても日本国内で行われることもあり、日本を舞台に駆け引きが行われることも予想される。

 ちなみにG20サミットの前に、6月8日から9日にかけて、福岡市で財務大臣・中央銀行総裁会議とつくば市において貿易・デジタル経済大臣会合が開催される予定となっており、こちらの動向にも念のため注意しておきたい。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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