日銀は19日の国債買入において、残存1年超3年以下の買入のオファー額は3500億円、残存3年超5年以下は4000億円と、中期ゾーンについては前回と変わらずとしたが、残存10年超25年以下は1600億円と前回の1800億円から200億円減額し、残存25年超は400億円と前回の500億円から100億円と超長期ゾーンはそれぞれ減額した。

 ここにきて米国経済が総じてしっかりしており、中国についても回復しつつあるとの見方も出てきた。このため、米国や欧州、そして中国の株価指数が大きく戻しており、最も注目されやすい米国の主要株価指数は過去最高値に接近している。

 長期金利をみると、米10年債利回りは昨年11月から低下トレンドが続き、3月27日の2.3%台あたりから、ここにきて2.6%近辺に戻している。ドイツの10年債利回りも一時マイナスとなっていたが、再びプラスに転じて一時プラス0.1%近くまで上昇した。日本の10年債利回りも3月28日にマイナス0.1%に低下したが、4月17日の引け後にマイナス0.010%とゼロ%に接近してきた。

 債券先物も4月15日あたりから、やや調整局面となるような動きとなっていた。これは欧米の長期金利の上昇も要因としては大きいものの、日銀による国債買入の減額の可能性も多少なり意識されていたと思われた。このため17日の長期ゾーンの国債買入が注目されたが、ここでの減額はなかった。それもあってか18日の債券先物は買い戻されていた。この動きからも、当面の減額はないのかと思われた矢先の19日に日銀は超長期ゾーンの買入を減額してきた。

 日銀の金融政策の調整目標は現在は金利に戻している。このため量の調節については現場の判断にある程度任せられているとみられる。イールドカーブコントロールも政策に含まれているものの、国債買入の増減はあくまで需給などを意識して行われる。

 ただし、タイミング次第では市場にインパクトを与えかねないことも確かではある。現実に19日の超長期ゾーンの国債買入額の減額は、「えっ、ここでやるの」という印象となったことで、債券市場そのものがやや動揺した。

 とはいえ、いまだ10年債利回りがマイナスにあるように、イールドカーブはフラットニングしていた。多少その反動は起きていたとしても金利の水準は極めて低い。大型連休も控えていることもあり、金融政策決定会合の開催日なども多少なり意識しての、19日の国債買入の減額であったのかもしれない。

 根本的な減額理由は今年度の国債発行額は昨年度に比べて減額されていることなどからの需給を睨んだ微調整といえる。このため、今回の減額による影響は一時的なものとなろう。ただし、欧米の長期金利の動向次第では、日銀の国債買入の減額とは別に、債券の売り要因、金利については上昇要因となってくる可能性は当然ありうる。