日本経済新聞の推計では、日銀は2020年末にも公的年金を上回り、日本最大の株主となる見通しだと16日付けの日経新聞が報じた。

 日銀はいわゆる異次元緩和によって、日本株に投資する上場投資信託(ETF)を年間約6兆円購入している。

 日本銀行の黒田東彦総裁は16日の衆院財務金融委員会で、異次元緩和の一環として実施している指数連動型上場投資信託(ETF)の購入について、「株価安定のために実施している」と言い間違え、直ちに「物価目標の実現のため」として訂正する一幕があったとこちらはブルームバーグが伝えた。

 この記事を受けてツイッターなどでは、つい本音がポロリと出てしまったのではないかとの書き込みが多数見受けられた。そもそも中央銀行が株を購入することによって、どのようにして物価上昇に働きかけられるのか。

 日銀が大量の国債とともにETFを通じて株式を大量に購入している姿は、金融市場を官制化しているようにもみえる。長期金利を抑えて財政悪化を見えにくくさせた上で、株価を作為的に上昇させようとしているようにも映る。

 中央銀行によるこれほどの金融市場への干渉は、当然ながら金融市場の価格形成に歪みをもたらす。債券市場に至ってはその主役ともいうべき国債が日銀によって吸い上げられてしまったことで、市場機能そのものが後退しており、債券村は過疎化の危機にある。これでは1000兆円もの残高のある国債という市場を、果たして今後も維持させることができるのかという疑問も生じよう。

 株式市場にあっては、純投資目的で株式を保有しているわけではない日銀が市場の主役となる副作用は大きいとの指摘もある。国債などと違って株式には償還がない。すでに日銀が保有しているETFを通じた株式をどのようにして減らすことができるのかという大きな問題がある。それにもかかわらず、いまだに日銀はETFを購入し続けている。これは金融市場にとって決して健全な姿ではない。