6月の公社債売買高より投資家動向を探る

 7月20日に日本証券業協会は6月の公社債投資家別売買高を発表した。この6月分から発表の形式が変わった。日本証券業協会によると新たに、国債以外についても、投資家別の売買状況を発表することとし、「公社債種類別店頭売買高」、「公社債投資家別売買高」、「国債投資家別売買高」を「公社債店頭売買高」に統合している。

 統合されたものから、いままでみていた現先と短期債を除いた一般売買での数値を確認してみたい。これは日本証券業協会のサイトにアップされた「公社債店頭売買高」のExcelファイルの「(K)一般差引」の2016年6月分の数字から、国債の国庫短期証券を除くことによって数字が得られる。

 これによると短期債を除いた数値で、都銀は9678億円の売り越しとなっていた。国債の内訳でみると都銀は、中期債は5633億円売り越し、長期債も4065億円の売り越しとなっていた。

 これに対して海外投資家は2兆2653億円の買い越しとなり、最大の買い越し主体となっていた。海外投資家は中期債を1兆2495億円買い越し、長期債を7182億円買い越し、超長期債を2173億円買い越していた。

 生保・損保は3050億円の買い越し。「その他」は1兆8871億円の売り越しとなっていた。

 6月の債券相場は上旬は下落トレンドとなり、下旬は戻り基調となり、いわゆる行ってこいのような展開となっていた。方向感に乏しい展開となり、現物債の商いも低迷し、債券先物は値幅が10銭に満たない日も多くなっていた。

 公社債投資家別売買状況の下記データは、全体の数字と短期債の数字となっているため、短期債を除く債券のデータについて全体から短期債を引いた。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。

公社債投資家別差し引き売買高 ()内は国債の投資家別売買高の超長期・長期・中期別

都市銀行 9678(100、4065、5633)

地方銀行 150(-207、527、10)

信託銀行 -310(-1750、-784、1795)

農林系金融機関 -1165(-1243、-16、579

) 第二地銀協加盟行 354(186、-62、90)

信用金庫 -965(77、350、0)

その他金融機関 -1354(48、114、-510)

生保・損保 -3050(-2854、539、176)

投資信託 -1263(-649、110、-4)

官公庁共済組合 33(110、-46、0)

事業法人 -1495(48、-219、-10)

その他法人 -1137(-48、-194、-133)

外国人 -22653(-2173、-7182、-12495)

個人 260(1、116、7)

その他 18871(5884、-857、17949)

債券ディーラー 523(-130、647、58)

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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