昨年末時点での日本国債の保有者

(写真:つのだよしお/アフロ)

 日銀は3月19日に資金循環統計(10~12月期速報値)を発表した。これによると個人の金融資産は12月末時点で約1880兆円となり、株価の上昇傾向などを背景に過去最高を更新した。9月末時点では約1845兆円となっていた。個人の金融資産の内訳は、現金・預金が前年比で2.5%増の約961兆円となった。株式等が同17.3%増の約211兆円、投資信託も13.1%増の約109兆円となっていた。

 この資金循環統計を基に国債(短期債除く)の保有者別の内訳を算出してみた。

 残高トップの日銀の国債保有残高は427兆2356億円、43.2%のシェアとなった。前期比(速報値)からは13兆8179億円の増加となる。

 残高2位の保険・年金基金は233兆5779億円(23.6%)、9243億円増。

 残高3位は預金取扱機関(都銀や地銀など)で166兆2632億円(16.8%)、2兆5812億円減。

 残高4位が海外投資家で59兆8048億円(6.1%)、978億円増。

 残高5位が公的年金の45兆8516億円(4.6%)、4827億円減。

 残高6位が家計の12兆3908億円(1.3%)、1793億円増。

 その他が43兆488億円(4.4%)、3兆9902億円増となっていた。

 2017年9月末に比べ国債(短期債除く)の残高は9兆5745億円増の988兆1727億円となった。 9月末に比べて大きく増加したのは、国債を大量に買い入れている日銀で、シェアは4割を上回っている。今回、前期比で減少したのは預金取機関と公的年金だけで、そのほかは増加となっていた。

 9月末に比べて大きく減少したのは、ディーラー・プローカーで2兆8845億円の減少となっていた。国内銀行の9月末は6月末に比べて9兆2008億円の減少となっていたが、今回は4530億円の減少に止まった。また、中小企業金融機関等(ゆうちょ銀行含む)も引き続き減少させており、今回は1兆4618億円の減少となった。

 短期債を含めた国債全体の数字でみると残高は約1092兆円となり、日銀が約449兆円で41.1%のシェアとなっていた。海外勢の残高は約122兆円と短期債を含めると国債全体の11.2%のシェアとなっていた。

 銀行による国債保有額の減額はそろそろ一巡してきた可能性がある。銀行は日銀担保等で一定額の国債は保有せざるをえないこともあり、ここから大きく減額させることは考えづらいか。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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