現金主義のドイツと日本におけるキャッシュレス化

(写真:ロイター/アフロ)

 現金主義で知られるドイツで、決済に占める現金の割合が半分以下に下がったことが、ドイツ連銀が14日公表した調査結果で明らかになった。約2000人を対象にした調査によると、2017年の取引に占めた現金の割合は47.6%で、2014年の53.2%から低下した(ロイター)。

 世界的にキャッシュレス化の動きが進んでいると言われるなかで、このドイツや日本ではそれほど進んでおらず、現金主義となっている。これはドイツや日本が遅れているというよりも、それだけ現金利用に障害がなく、どこでも安全に現金が使えるシステムが存在していることなども要因かと思われる。

 そうはいってもコンピュータでの決済が進み、電子マネーの利用が拡大していることで、日本とドイツも少しずつキャッシュレス化は進んでいる。日本でもすでに現金決済の割合は50%を割り込んでいる。

 ドイツではカードの中では特にデビットカードが人気となり、昨年の決済の4分の1余りを占めていた。クレジットカードもじわじわと普及しているそうである(ロイター)。

 日本ではカード決済のウエイトが相対的に小さく、支払手段として現金が幅広く使われているが、各種カードの一人当たり合計保有枚数をみると、日本では一人当たり平均で7.7枚とかなり多い。ただし、クレジットカードの利用は多くてもデビットカードの利用は少なく、このあたりドイツと対照的な面がある。

 日本におけるカード決済金額をみると次のような特徴がみられると日銀のレポートが指摘していた。

・電子マネーによる決済金額は、各国平均を大きく上回っている。

・クレジットカードは、概ね各国平均並みに利用されている。

・デビットカードによる決済金額は、各国平均を大きく下回っている。

 現金の利用ではどうしてもコストが掛かることで、いずれ電子マネーを主体とした決済が進むとみられるが、現金決済に何かしら支障があるわけでもなく、今後の日本やドイツのキャッシュレス化の進行度合いは緩やかなものとなると思われる。

 自分でもカードなどは保有しているものの、財布に現金がないと不安である。クレジットカードや電子マネーがどこでも使えるわけではなく、外出の際には、ある程度の現金を保有していないと何かしらのときに決済できないリスクも意識してしまう。

 東日本大震災などを経験し、携帯電話が通じず、電気が止まってしまった際には、やはり現金が決済手段として有効になることを身にしみて感じていたこともあり、もしもの決済リスクも意識して現金を保有している面もある。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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