ゆうちょ銀行が日銀の国債売買オペに参加、それぞれの思惑も

(写真:ロイター/アフロ)

日本郵政グループのゆうちょ銀行が、日銀の国債売買オペに4月以降、参加しているようである。

4月19日にゆうちょ銀行は電子メールで「当行は、民営化以降、運用の高度化・多様化を進めており、その一環として、本件日銀オペの参加を申請し、この度日銀より承認されたもの」とコメントしていた(ブルームバーグ)。

私はてっきり、日銀の売買オペには、大量の国債を保有するゆうちょ銀行は当然参加していると勝手に思い込んでいた。しかし、確かに下記の日銀が公表した「国債売買オペの2016年度対象先公募(定例選定)の結果について」には、ゆうちょ銀行は入っていない。

「国債売買オペの2016年度対象先公募(定例選定)の結果について

http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/rel161014a.pdf

ゆうちょ銀行が保有する国債額は73.5兆円規模となり日銀に次ぐ大きさである。ただし、運用等に制限もあったことで、日銀の国債売買オペには参加していなかったとみられる。

日銀にとってもすでに年間発行額規模の国債を購入しており、金融機関保有の国債の引き剥がしをしていかないと、この規模の買入はステルステーパリングをしているといえ、いずれ限界も来てしまう。そのような環境下、70兆円規模の国債を保有するゆうちょ銀行による国債売買オペへの参加は日銀にとっても願ったり叶ったりとなるのか。

しかし、ゆうちょ銀行にとって資産であるところの保有国債を日銀に売却してしまうとその資金の運用に困ることとなる。ただし、今後は資産運用の多極化も図るようで、それも今回の動きの背景にあるのかもしれない。ただし、証券会社などのように日銀トレードで鞘を取るといった運用が果たして可能なのであろうか。ちなみに、ゆうちょ銀行は国債入札参加者に含まれている。

財務省「国債に係る入札参加者一覧」

http://www.mof.go.jp/jgbs/topics/bond/bidders/index.htm

今回のゆうちょ銀行が日銀の国債売買オペに参加したことは、ゆうちょ銀行と日銀それぞれの思惑が働いているようにも思われる。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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