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宮城県 1日で約2か月分の気温変化 18日(水)以降は真夏の暑さ戻る

小杉浩史気象予報士 / ウェザーマップ所属
仙台の最高気温グラフ あす以降の数値は予想気温(提供:ウェザーマップ)

肌寒さの原因はオホーツク海高気圧

宮城県では、今月初めは30度以上の真夏日が続いていたのですが、ここ1週間ほどはもうその暑さを思い出せないほどの肌寒さが続いています。この原因はオホーツク海高気圧です。

きょう17日(火)3時の実況天気図(提供:ウェザーマップ)
きょう17日(火)3時の実況天気図(提供:ウェザーマップ)

連日続いている西日本を中心とした豪雨は、本来今の時期に日本列島を覆っているはずの太平洋高気圧が南に退き、さらに北からはオホーツク海高気圧が張り出してきて、その2つの間で前線が身動きを取れなくなったことで起こっています。

宮城県は、雨は西日本ほどではないものの、前線北側のオホーツク海高気圧からやませと呼ばれる冷たい海風が吹き続けていたため、最高気温でも20度前後という盛夏らしからぬ肌寒さが続いていました。「もう今年の夏も終わりか…」と感慨に浸っている方もいらっしゃるかもしれません。

きょう17日(火)3時の実況天気図(提供:ウェザーマップ)
きょう17日(火)3時の実況天気図(提供:ウェザーマップ)

このやませは米の実りを悪くすることがあり「凶作風」とも呼ばれたりするほどです。宮沢賢治の「雨ニモマケズ」で「サムサノナツニハオロオロアルキ…」という部分があり、これはやませによって寒い夏になったことを示しているとされています。

このやませが吹き続けると1993年「平成の米騒動」の時のように冷夏になってしまうのですが、今年の夏はまだ終わっていません。あす18日(水)以降は一転して暑さが戻ってきそうです。

1日で2か月分の気温変化

あす以降は、やませを吹かせていたオホーツク海高気圧は徐々に東に離れていきます。代わって前線南側にあった夏本来の空気に覆われるようになるため肌寒さは解消…どころかまた一気に暑くなりそうです。

あす18日(水)9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)
あす18日(水)9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)

仙台ではあす以降、最高気温は連日30度前後の予想。きょうまでの20度前後は10月上旬並みでしたが、あす以降の30度前後は8月上旬並み。一気に約2か月分の気温変化をしそうです。

仙台の最高気温のグラフ(あす以降は予想の数値 ウェザーマップ提供のものに著者加工)
仙台の最高気温のグラフ(あす以降は予想の数値 ウェザーマップ提供のものに著者加工)

ようやく涼しさに体が慣れてきたと思ったら、再び暑さがやってきそうですので熱中症などにはご注意ください。

気象予報士 / ウェザーマップ所属

東京都出身。大学卒業後、会社員やフリーターなどを経て、2012年に気象予報士を取得。2015年からミヤギテレビにて気象キャスターとして出演中。趣味はバイクに乗ること、目標は「宮城の天気と言えばこの人!」と言われること。南東北の北東から、天気の怖さと面白さをお伝えします。

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