西日本で記録的に早い梅雨入り 宮城県も5月後半は“梅雨の走り”に
「五月晴れ」という言葉を広辞苑で引くと、一番初めには『梅雨の晴れ間』が載っていて、二番目に『五月の空の晴れ渡ること』と載っています。
現在、多く使われるこの二番目の意味は後になって定着したものですが、それくらい5月というのは清々しい晴天に恵まれやすい時季であることの表れです。ただ今年は勝手が違います。
今月11日、九州南部で平年より約20日も早く梅雨入りが発表され、その後きのう15日に九州北部、中国、四国地方で、きょう16日には近畿と東海で梅雨入り発表と、いずれも平年より約3週間も早く梅雨入りが発表されています。
東北南部の梅雨入り平年日は6月12日頃、過去最も早い記録は6月1日頃ですが、今年は宮城県を含む東北南部でも平年に比べると五月晴れの少ない5月になりそうです。
平年よりはるかに北で停滞する梅雨前線
きょうは日本列島を覆い隠すように、大陸からの長い雲の帯がかかっています。梅雨前線です。
奄美地方の梅雨入り平年日が5月12日頃ですので、本来今の時季は沖縄や奄美地方が梅雨本番。梅雨前線ももっとはるか南に位置しているような頃なのですが、きょうはそれよりずっと北の日本海に伸びて北海道にまで雲がかかっています。
通常の5月であれば、一時的にこうして梅雨前線が北上してきてもその後は北から高気圧がやってきてまた梅雨前線はすぐ南に押し下げられるのですが、今回はわずかしか南下せず東~西日本付近に停滞する予想です。
これは日本の南で早くも太平洋高気圧が強まっているためです。今月下旬になると一旦太平洋高気圧は弱まる見込みですが、それまではこの太平洋高気圧に下支えされるように梅雨前線が本州付近で停滞する見込みです。
東~西日本では記録的に早い発表も納得といったような梅雨空が続く予想ですし、反対に前線より南に位置する沖縄などは平年より晴れる日が多い見込みです。
東北南部も、前線の雲がかかったりかからなかったりする位置にあるため通常の5月に比べると晴天は少なく、曇りや雨の日が多い見込みです。
宮城県においては既に田植えの済んでいる田んぼも多くなってきていますが、農家の方は農作物の管理にはご注意下さい。