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梅雨本格化 東北でも大雨となる所も

小杉浩史気象予報士 / ウェザーマップ所属
29(土)21時までの72時間降水量の予想

今年は梅雨前線がなかなか北上せず、西日本は平年より大幅に梅雨入りが遅れていましたが、きょうようやく九州北部~近畿で梅雨入りが発表されました。

それだけ梅雨前線が北上してきている、ということで東北地方でも日本海側では大雨となる所がありそうです。

前線を“持ち上げた”2つの熱帯低気圧

きょう梅雨前線を北上させたのは、沖縄の南北にある2つの熱帯低気圧です。

きょう18時の実況天気図(提供:ウェザーマップ)
きょう18時の実況天気図(提供:ウェザーマップ)

このうち、南のものがあす27日までに台風に変わる予想で、台風の経路にあたる西日本~東日本の太平洋側では大雨になるおそれがあります。

あす9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)
あす9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)

気象庁によると、あす夕方までの24時間で四国や九州南部は250~300ミリという大雨が降る所もある予想で、土砂災害や川の増水などに警戒が必要です。

あす21時までの24時間降水量の予想(提供:ウェザーマップ)
あす21時までの24時間降水量の予想(提供:ウェザーマップ)

東北でも大雨になる所も

ただ予想降水量のデータを48時間先、72時間先まで見ていくと、そうした台風の経路にあたる地域と同じくらい大雨になりそうな地域が現れてきます。東北日本海側です。

28日(金)21時までの48時間降水量の予想(提供:ウェザーマップ)
28日(金)21時までの48時間降水量の予想(提供:ウェザーマップ)
29日(土)21時までの72時間降水量の予想(提供:ウェザーマップ)
29日(土)21時までの72時間降水量の予想(提供:ウェザーマップ)

これは南北に並んでいた熱帯低気圧のうちの北のものが、前線と一体化して温帯低気圧として通過するためで、東北日本海側ではあす夕方以降は活発な雨雲がかかる見込みです。

28日(金)9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)
28日(金)9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)
あす18時の雨の予想(提供:ウェザーマップ)
あす18時の雨の予想(提供:ウェザーマップ)

しかも東~西日本は、台風が抜ければ大雨の峠はひとまず越えますが、東北地方にはその後も30日(日)頃にかけて前線や低気圧による雨雲が断続的にかかる予想です。

このため日本海側では大雨となるおそれがあり、山形など先日大きな地震のあった地域でも雨量が多くなる可能性があります。

きょうの時点では、気象庁の全般気象情報には東北地方の予想雨量は記載されていませんが、今後は各地の気象台・自治体が発表する情報にご注意ください。

【参考資料】

気象庁:大雨と強風及び高波に関する全般気象情報 第2号(6月26日16時30分発表)

気象予報士 / ウェザーマップ所属

東京都出身。大学卒業後、会社員やフリーターなどを経て、2012年に気象予報士を取得。2015年からミヤギテレビにて気象キャスターとして出演中。趣味はバイクに乗ること、目標は「宮城の天気と言えばこの人!」と言われること。南東北の北東から、天気の怖さと面白さをお伝えします。

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