お盆休みのガソリン価格は昨年より割安

(写真:アフロ)

お盆休みを迎えて帰省や行楽で自動車に乗る機会が増える人も多いだろうが、今年のガソリン価格は昨年のお盆休みと比較すると、若干ながら割安な価格水準になっている。

資源エネルギー庁の「石油製品価格調査」によると、直近の8月5日時点のガソリン小売価格は全国平均で1リットル=145.5円となっており、前年同期の152.1円から6.6円(4.3%)の値下りになっている。お盆休み入り直前のガソリン価格は、2016年の122.2円をボトムに、17年が131.2円、18年が152.1円と2年連続で値上がりしていたが、3年ぶりの値下りになる。

今年のゴールデンウィーク時と比べても、5月7日時点の150.2円からは4.7円(3.1%)の値下りであり、ガソリン価格の高騰が一服した状態でお盆休みを迎えることになる。140円台中盤のガソリン価格は、過去のデータを見る限りだと「安い」よりも「高い」と感じる向きが多いはずだが、昨年10月22日時点の160.0円と比較すると15円近い値下りであり、家計に対する負担はやや軽減されている。

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■ガソリン価格抑制の背景

こうしたガソリン価格値下りの背景だが、世界経済の減速感が強くなっている影響が大きい。米中貿易摩擦は世界経済を疲弊させており、貿易量の減少のみならず経済活動の減速を促している。昨年も9月頃までは、米政府の対イラン制裁による「供給不安」が原油価格を押し上げていたが、昨年10月以降は米中対立による「需要不安」が原油価格を押し下げている。

まだ石油需要の伸びが止まる状況にはないが、想定以上に需要が伸び悩んでいることが、需給緩和リスクを高めている。国際エネルギー機関(IEA)の場合だと、1月時点では今年の石油需要が前年比で日量140万バレル拡大すると予想していたが、現在は110万バレルの伸びに留まると修正されている。シェールオイルの増産だけで、世界の石油需要の伸びは吸収できる状況になっている。

しかも、足元では再び米中対立が激化しており、株価急落に象徴されるように景況感は急激に悪化している。国際指標となるNY原油先物価格も、昨年10月4日の1バレル=76.90ドルをピークに、足元では50ドル割れが警戒される状況になっている。

イラン情勢の動向、石油輸出国機構(OPEC)の需給管理制裁などによっては秋の行楽シーズンに向けて再び値上がりする可能性も残されているが、このまま米中両国の対立が激化する一方であれば、ガソリン価格は更に値下りしている可能性が高い情勢になっている。

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