ガソリン価格は下げ一服、OPECの動きを警戒

(写真:アフロ)

資源エネルギー庁が8月24日に公表した「石油製品価格調査」によると、8月22日時点のレギュラーガソリン価格(店頭現金小売価格、全国平均)は、1リットル当たりで前週の121.7円から横這いになった。8週間ぶりに値下り傾向にブレーキが掛かっている。まだ上昇には転じていないが、6月20日の124.00円をピークとしたガソリン価格の値下り局面は、累計2.3円安で一応の終止符が打たれた格好になっている。

7月には、国際原油価格が値下りに転じたことや、1ドル=100円の節目を割り込む急劇な円高を受けて、原油調達コストの低下がそのままガソリン価格を押し下げる展開になった。しかし、8月入りしてからはその原油価格が再び値上がり傾向を強めていることで、円高環境ながらも原油調達コストは再び上昇傾向を強め、それがガソリン価格の値下り傾向にブレーキを掛け始めている。

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■OPECが原油価格を押し上げるとの観測

国際指標となるWTI原油先物価格は、6月9日の1バレル=51.67ドルが今年の最高値となり、8月3日の39.19ドルまで最大で12.48ドル(24.2%)の急落となった。従来想定されていた程に末端の石油製品需要が伸びない中、原油・石油製品の過剰在庫問題がクローズアップされた結果である。

しかし8月に入ると、石油輸出国機構(OPEC)が9月26~28日の非公式会合で政策調整に動くとの観測が浮上していることが材料視され、原油価格は再び40ドル台後半まで値上がりしている。

OPECは今年4月にもロシアなどを招いた産油国会合を開催し、産油量凍結(=増産凍結)合意まであと一歩の距離まで迫っていた。しかし、その時点では経済制裁が解除されたばかりのイランが増産方針を崩さず、それに反発したサウジアラビアが産油量凍結合意を拒否したことで、結果的にOPECやロシアなどの伝統的産油国が供給調整を行うことは見送られた。

しかし、なお経済危機に陥ったベネズエラを筆頭に政策調整の可能性を模索する動きは強く、今回はOPEC(更にロシアなども)の協調は可能との見方が原油価格を下支えしている。

一部報道では、イランも他産油国との協調に「前向き」とされており、サウジやロシアも国際協調に一定の理解を示している。この流れでOPECが再び原油需給の均衡化や原油価格の高値誘導に責任を持つ時代に回帰できれば、原油価格にとっては少なくとも悪い話ではない。

■ガソリン価格は120円台前半が中心か?

しかし、こうしたOPECの政策期待だけで原油価格の上昇が続き、ガソリン価格が本格的な上昇に転じるのかは疑問視している。OPECが実際に政策調整で合意できるのかは不透明感が強いことに加えて、仮に合意できても過去最高水準の産油量で凍結して需給引き締め効果があるのかは疑問視される。また、合意が順守されるとの確信も持てないためだ。

例えば、イラク首相は市場シェアが十分に回復していないことを理由に、産油量凍結合意には否定的な見解を示している。また、サウジアラビアは産油量凍結に備えて急ピッチな増産を行っている可能性が指摘されている。更に、イランもなお増産・輸出拡大に意欲を示しており、OPECの政策調整に過大な期待を持つことは難しい。

実際に米金融大手ゴールドマン・サックス・グループは、最近の原油価格上昇について「(ニュースの)ヘッドラインに反応している」だけとして、「原油の短期ファンダメンタルズは弱気」との見方を示している。来年夏までブレント原油で45~50ドル水準で横ばい状態が続くとしている。

これから年末にかけて国際原油需給の過剰供給は解消される見通しになっているが、再び原油価格が急騰するというよりも、4月以降の価格水準で安定化しながら緩やかなペースで値上りを打診する方向でみておきたい。ガソリン価格も120円割れのリスクが後退する一方で、120円台後半を試すにはなお時間が要求される可能性が高いとみている。