お盆休みのガソリン価格、去年から13%安

(写真:アフロ)

資源エネルギー庁が8月10日に公表した「石油製品価格調査」によると、8月8日時点のレギュラーガソリン価格(店頭現金小売価格、全国平均)は、1リットル当たりで前週の122.1円から122.0円まで0.1円値下りした。これでガソリン価格の値下りは6週連続となり、6月20日の124.00円からは累計で2.00円値下りしている。

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3月中旬から6月末にかけては、海外原油価格の急反発と連動して国内ガソリン価格も急伸し、3月7日の112.0円から最大で12.0円の値上がりになった。しかし、6月下旬以降は海外原油相場が再び値下がり傾向を強めていることに加えて、為替が円高方向に振れる中、5月30日以来となる約2か月半ぶりの安値を更新している。

8月11日(木)は「山の日」の祭日となり、今年は8月13日(土)から16日(火)までがお盆期間となり、帰省などに伴うガソリン需要が拡大し易い。この時期のガソリン価格を振り返ってみると、昨年(2015年)は140.0円、14年は169.2円、15年は160.2円となっており、昨年からは13%、14年からは28%の大幅な値下りが実現している。ガソリン負担額としては、2009年並みの水準を想定しておけば十分である。

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こうした値下りは原油調達コストの低下を反映したものであり、海外原油安と円高で円建て原油輸入価格が切り下がる中では、必然的な値動きと言える。東京商品取引所(TOCOM)のドバイ原油先物価格は、最も受け渡し期間が短い期近物で6月9日の1キロリットル=3万2,790円をピークに、8月3日には2万4,630円まで値下がりしている。1リットル当たりだと8.16円の値下りであり、この原油調達コストの値下りがガソリン小売価格にも段階的に反映されているのが現状である。

目先はこれまでの原油調達コストの値下りを反映して、120円水準までの値下りも想定できる。8月の夏休み期間中は、少なくともガソリン価格は現行水準を大きく上回ることはなく、逆に若干の値下がりが想定できる状況にある。

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◆目先は安値が続き易いが、年末に向けては反発か?

世界的な原油、製品の過剰在庫環境がクローズアップされていることが、国際原油相場の上値を圧迫している。国際エネルギー機関(IEA)によると、5月時点で経済協力開発機構(OECD)加盟国の商業用石油在庫は過去最高の30.74億バレルに達している。原油相場が急落する前の2014年前半時点では26億バレル台であり、在庫環境を正常化するまでの道のりの厳しさが、原油価格の反発傾向にブレーキを掛けている。特に、これからシーズンオフを迎えるガソリンは、中国で過剰に精製されたものが国際市場に供給されており、アジア、欧州、米国と玉突き的に過剰在庫の積み増しを促している。

その一方で、石油輸出国機構(OPEC)加盟国は油価回復背景に産油量を増やしており、一部産油国は秋に向けてディスカウント競争を仕掛けている。また、米国では石油リグ(石油掘削装置)の稼働数が増加に転じており、原油価格上昇による採算環境の改善がシェールオイルの増産(=減産解除)を促し始めている。

ただ、2月までの原油価格急落局面と大きく異なるのは、今年下期には国際原油需給の均衡化が見通せる状況にあることだ。2月時点では年内に過剰供給を解消できるのか明確な見通しを描くことはできなかったが、現段階ではほぼ需給均衡状態から小幅供給不足が達成できる見通しになっている。このため、年末に向けて更に原油、石油製品在庫が大きく積み増しされる可能性は低く、ここから更に原油相場が大きく値下がりする必要性を有しているのかは疑問視している。

NY原油先物市場では、短期的な先安観からファンドの売りポジションが急増する一方で、中長期的な先高感を背景とした買いポジションの増加も報告されている。原油相場がこのまま下げ渋る展開になると、ファンドが売りポジションの買い戻し(=決済)を迫られることが、原油価格の反発を促す可能性もある。

年末までの期間を考えると、これから余程の急激な円高などが実現しない限り、夏休み後のガソリン価格が更に大きく値下がりする可能性は低下している。

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