ガソリンは5週連続安、8月も安値続きそう

(写真:アフロ)

資源エネルギー庁が8月3日に公表した「石油製品価格調査」によると、8月1日時点のレギュラーガソリン価格(店頭現金小売価格、全国平均)は、1リットル当たりで前週の122.2円から122.1円まで0.1円値下りした。これでガソリン価格の値下りは5週連続となり、当該期間の累計で1.9円値下りしている。

3月7日の112.0円を安値に6月20日の124.0円まで3か月半で12.0円の値上がりになっていたが、7月以降は緩やかな値下り傾向が確認できる状況にある。昨年の同じ時期の141.3円からは19.2円の値下りになる。

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背景にあるのは、改めて海外原油価格の軟化と円高が進行しているため、原油調達コストが低下していることだ。2014年中盤以降の急激な原油安はシェールオイルなどの採算ラインの高い原油に減産対応を迫り、それが2月には一時1バレル=26.05ドルまで値下がりしていた原油価格を、6月には50ドル台まで2倍近い価格水準まで押し上げていた。

しかし、7月以降は1)世界的な過剰在庫がクローズアップされていること、2)石油輸出機構(OPEC)が過去最高水準の生産を続けていること、3)米国で石油リグ稼働数が増加に転じていることなどが材料視され、8月入りと前後して原油価格は再び40ドルの節目を割り込んでいる。

しかも、このタイミングで為替市場では急劇な円高が発生している結果、仮に海外原油価格が下落しなくても、国内の原油、ガソリン価格に対しては値下り圧力が強まり易い状況になっている。

東京商品取引所(TOCOM)の原油先物価格(期近物)の場合だと、6月時点では1キロリットル=3万~3万3,000円水準で取引されていたのが、8月3日の取引では2万5,000円台も割り込む展開になっている。約2か月で最大8,160円の値下りであり、1リットル当たりだと8.16円のコスト安が発生している。この急激な値下りが段階的に反映されているのが、現在のガソリン価格である。

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北半球ではガソリン需要期となるドライブシーズンが終わりに近づき、今後はアジア地区を中心に製油所の低下が見込まれている。このため、産油国の原油販売はディスカウント競争を迫られ易く、既にサウジアラビアやUAEなどが販売価格の引き下げ方針を公式に表明している。

年末が近づくと、今度は暖房用エネルギー需要の拡大から国際原油需給は引き締まり、原油安にもブレーキが掛かり始める可能性が高い。ただ、夏場の行楽シーズンに限定すれば、中東やアフリカなどで何か突発的な供給障害が発生しない限り、ガソリン価格は緩やかな値下り傾向が続きそうな状況にある。