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NY金29日:小幅続落も、年末前のポジション調整中心

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金2月限 前日比0.30ドル安

始値 1,068.30ドル

高値 1,074.60ドル

安値 1,066.70ドル

終値 1,068.00ドル

為替相場がドル高方向に振れたことが嫌気され、総じて小幅続落した。

年末までのカウントダウンが始まる中、既に積極的な売買は手控えられている。本日は為替がドル高気味に推移したことが嫌気され、アジア・欧州タイムに戻り売り圧力がやや優勢になった。ただ、ニューヨークタイムに入るとドル高一服で金相場も1,060ドル台後半で下げ渋り、大きな値動きには発展しなかった。

12月の米消費者信頼感指数は前月の92.6(速報は90.4)から96.5まで急伸し、市場予測93.8を大きく上回った。現況指数が110.9から115.3、期待指数が80.4から83.9まで、ぞれぞれ上昇している。米消費環境の底固さを示す指標になったが、これを手掛かりに更にドル買い・金売りを進めるような動きまではみられなかった。

引き続き来年の米利上げに対する警戒感が上値を圧迫するも、年末を前に積極的に仕掛けるような動きはみられず、決め手を欠いている。やや金相場の買戻しには一巡感も見られるが、来年に向けて改めて売り込むような動きが強くなっている訳でもなく、このまま方向感に乏しい展開が続き易い。もっとも、今年の金相場を大きく押し下げた環境が好転している訳ではなく、戻り局面は従来通りに売り場になる見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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