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NY金24日:ドル安連動で反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金2月限 前日比7.80ドル高

始値 1,069.60ドル

高値 1,076.60ドル

安値 1,069.50ドル

終値 1,075.90ドル

為替がドル安方向に振れたことが好感され、反発した。

アジアタイムに1,073ドル水準で揉み合う展開になった後、欧州タイム入り後は1,071ドル水準まで小幅軟化した。ただ、ニューヨークタイムに入るとドル安連動で改めてショートカバー(買い戻し)が膨らみ、1,075ドル水準まで切り返している。特に目立った材料などは見当たらないが、クリスマス休暇を前に短縮商いになる中、売り方ファンドのポジション調整が優勢になった。

米連邦準備制度理事会(FRB)は12月15~16日の政策会合で利上げに着手したが、その後は2016年の金利上昇軌道についての議論は盛り上がらず、トレンド形成は来年に先送りされている。FRB当局者は来年に4度の利上げを想定している一方、マーケットでは2回程度との見方が強く、このギャップをどのように埋めていくのかが問われることになる。実際に4回の利上げが可能であれば、金相場はまだ大きな下落リスクを残している可能性が高いが、この辺の議論は特に急がれていない。

クリスマス商戦がやや不調といった報告も聞かれているが、米株価もポジション調整をこなしているのみであり、金相場も短期の方向性は定まっていない。既に年内の相場は終わった感が強く、このままポジション調整中心のボラタイルな展開が続き易い。足元ではややドル安傾向が目立つが、利上げ着手を受けてのドル安基調への転換というよりも、ポジション調整の意味合いが強く、過剰反応は不要だろう。金相場を取り巻く環境が好転している訳ではなく、年末が近づく中での一時的な調整高との理解で十分と考えている。チャート上では1,050ドル水準で二番底を形成しつつあり、目先はこのまま現行価格水準で方向性を欠いた展開になり易い。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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