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NY原油21日:小幅まちまち、安値更新もポジション調整中心に

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油1月限 前日比0.01ドル安

始値 34.58ドル

高値 35.86ドル

安値 33.98ドル

終値 34.74ドル

特に目新しい材料が見当たらない中、前日終値を挟んでまちまちの展開に。

アジア・欧州タイムは売買見送りムードが強く、34ドル台前半から中盤にかけての小動きに。ニューヨークタイム入り後はドル安に逆行して下値模索の展開になり、一時は33.98ドルまで値下りした。ブレント原油が約11年ぶりの安値を更新したこともあり、WTI原油に対しても売り安心感が強まった。ただ、クリスマス休暇前に売りポジションの整理を進めたいとのニーズも強い結果、当限は引けにかけて小幅ながらプラス圏まで切り返す一方、2番限以降は小幅下落するなど、決め手を欠いた

引き続き需給緩和に対する警戒感は強く、下値切り下げ傾向は維持され易い。改めて原油相場が買われるような必要性は見いだせず、リスクバランスはなお下向きである。ただ、この時期は内部要因の影響力が増すため、徐々に年末に向けて方向感を失い易くなる。

原油相場の基調が下向きとの判断に修正を迫る必要性は乏しく、実際に安値更新局面は続いている。過剰供給是正を促すには、いずれにしても原油安が必要との見方が強く、35ドル割れ定着を打診するステージになっている。季節要因から在庫積み増し傾向にブレーキが掛かり易いことに注意が必要だが、自立反発的な動きに留まろう。クリスマス休暇前にショートカバー(買い戻し)主導で上昇するような局面があれば、売り場になる見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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