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NY原油18日:過剰供給懸念、米リグ稼働数増加で、小幅続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油1月限 前日比0.22ドル安

始値 34.87ドル

高値 35.57ドル

安値 34.29ドル

終値 34.73ドル

引き続き過剰供給に対する警戒感が強く、続落した。

特に目新しい材料などは見当たらなかったが、引き続き過剰供給に対する警戒感が強く、戻り売り優勢の地合になった。アジアタイムは34ドル台後半を中心に方向性を欠いたが、欧州タイム入り後は戻り売り圧力が強く、34ドル台に突入した。ニューヨークタイム入り後はドル高や週末を控えての買戻しでアジアタイムの高値を上抜き35ドル台中盤まで反発したが、引けにかけては再び戻りを売り込まれ、小幅ながらマイナス圏に沈んで引けている。

米ベカー・ヒューズ社発表の米石油リグ稼働数は前週比+17基の541基となった。最近は減少トレンドが確認されていたが、原油相場が急落する中でリグ数の減少が報告されたことが、投機売りに安心感を強めている。サプライズ感まではないものの、石油輸出国機構(OPEC)の生産調整が進まない一方、シェールオイルに対する減産圧力も鈍いことが、投機売りに一層の安心感をもたらしている。

クリスマス休暇に向けて売りポジションの整理も行われ易いが、ドルが急落するような動きがなければ、原油相場は年末に向けて上値の重い展開が維持され易い。過剰供給是正を促すには、いずれにしても原油安が必要との見方が強く、35ドル割れ定着を打診するステージになっている。季節要因から在庫積み増し傾向にブレーキが掛かり易いことに注意が必要だが、自立反発的な動きに留まろう。ドル安圧力も一服しており、なお下値不安の大きい相場環境を想定しておきたい。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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