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NY金14日:急反落、FOMC接近で買い玉整理の動きが優勢に

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金2月限 前日比12.30ドル安

始値 1,073.00ドル

高値 1,077.00ドル

安値 1,063.00ドル

終値 1,063.70ドル

為替相場は引き続きドル安気味に推移したが、米連邦公開市場委員会(FOMC)開催を控えて買い玉整理の動きが優勢になり、二桁の急反落になった。

アジアタイムから戻り売り圧力が強く、1,060ドル台での取引が目立った。その後はドル安連動で反発を試す場面も見られたが、ニューヨークタイム終盤は再び戻り売り圧力が強まり、更に下げ幅を拡大する展開になった。

引き続き、FOMCを控えて不安定な相場展開が続いている。15~16日のFOMCでは利上げ着手がほぼ確実視されているが、既に利上げ着手の流れは織り込み済みか否か、マーケットの見方は割れている。フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場の織り込みはまだ8割程度だが、ここで利上げ着手が行われない方がサプライズとなる中、実際の利上げで更にドル高・金利上昇を進めることが可能なのか、慎重に見極めたいと考えている向きが多い模様。

本日は米株式相場が強弱まちまち、ドルが対ユーロであれながらも下値を切り下げるなど、マーケット全体の地合が不安定化している。米金融政策の転換期とあって当面はこうしたボラタイルな相場展開を許容せざるを得ず、方向性が打ち出しづらい。本日は二桁の急落になったが、乱高下を繰り返す中での下げであり、特に今後の相場展開を考える上では参考にならないと考えている。

引き続き株価動向には注意が必要であり、FOMC、クリスマス休暇を控えてボラティリティが高まり易くなっている。自立反発的な動きでも、1,100ドル水準まで戻す程度のエネルギーは想定しておく必要がある。ただ、ドルに対する信認回復の大きな流れに変化がなければ、一時的な戻り圧力の有無との視点に留まろう。改めて1,050ドルの節目割れが打診される見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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