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NY原油19日:過剰供給への警戒感が根強く、反落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油12月限 前日比0.21ドル安

始値 40.72ドル

高値 41.05ドル

安値 39.89ドル

終値 40.54ドル

引き続き過剰供給に対する警戒感が強く、反落した。

前日は40ドル割れで短期的な目標達成感が広がる中、ショートカバー(買い戻し)主導で反発した。ただ、本日はアジアタイムから41ドル水準に抵抗を受けて、欧州タイム入り後に再び40ドル台を割り込むなど改めて軟化している。特に目新しい材料が浮上している訳ではないが、引き続き過剰供給傾向が警戒されている模様。引けにかけてはドル安連動で下げ幅を縮小するも、プラス圏を回復するまでの勢いは見られなかった。

米国では製油所のメンテナンスシーズンが終わりに近づいているが、なお季節要因から安値是正を進めるような動きは確認できない。米製油所稼働率は着実に上昇しており、このペースであれば11月下旬から12月上旬にかけて米国内在庫の積み増し傾向にブレーキが掛かる可能性も十分にある。ただ、なお米国内では前年同期を1億バレル以上も上回る過剰在庫が報告されていることに加えて、今年は欧米の暖冬予想で暖房用エネルギー需要の先行きに対して強い不透明感があることもあり、本格的に上値を試すような動きはみられない。多少の在庫取り崩しが行われても、過剰供給という基本フレームには変化がないとの見方が強い。

実際に米原油在庫の取り崩しが開始されれば、原油相場に対しては一定の反発余地が生じる可能性が高い。これまでの原油安を構成している要素の一つが「米原油在庫の増加傾向」であることは間違いのない事実のためだ。ただ、これによって需給タイト感が作り出されるような環境にはない以上、あくまでも一時的な戻り圧力との視点で十分だろう。

このまま暖冬になると、需要期にもかかわらず逆に値位置を切り下げるリスクを警戒する必要もある。ドル高トレンドも維持されやすく、基本的には原油相場は安値低迷の時間帯が続く見通し。35~60ドルがコアレンジになるとの見通しに変化はない。突っ込む局面では中長期スパンで安値を買い拾っても問題がない価格ゾーンと評価しているが、短期スパンではなお上値の重い厳しい相場環境が維持され易い。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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