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NY原油11日:API原油在庫の急増を嫌気し、反落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油12月限 前日比1.28ドル安

始値 43.63ドル

高値 44.11ドル

安値 42.62ドル

終値 42.93ドル

米国内需給に対する緩和圧力の強さが嫌気され、反落した。

API発表の原油在庫が前週比+630万バレルと急増したことが嫌気され、アジアタイムから売り優勢の展開になった。その後は43.50~44.00ドルのレンジで下げ一服となる場面も見られたが、ニューヨークタイムに入ると米エネルギー情報局(EIA)の統計でも需給緩和が示されるとの警戒感から一段安になっている。10月26日以来の安値が更新されている。

米国の石油需給環境については、「製油所稼働率の上昇に伴う需給引き締め期待」と「在庫増加傾向」という強弱材料が交錯しており、このどちらを重視するかで上昇も下落も正当化できる状況にある。10月下旬は稼働率の上昇傾向から需給緩和のピークは脱したとの見方が原油安是正を促してきたが、ここにきて再び在庫増加プレッシャーに対する注目度も高くなっており、それが本日の約2週間ぶりの安値更新につながっている。EIAの統計は明日にずれ込んでいるが、APIの統計同様に製油所稼働率の上昇と原油在庫の増加という強弱材料が出てくる可能性が高く、どちらを重視しても違和感がない状況にある。

短期スパンでは、稼働率の改善傾向が目先の原油在庫増加傾向にブレーキを掛ける可能性が高く、季節要因から若干のリバウンドリスクを想定しておく必要がある。なお原油在庫の増加傾向は続いているが、11月中には少なくとも横ばい推移に転換する可能性が高く、その際には一定の買い圧力が強まろう。ただ、過剰在庫環境に変化がないこと、国際需給がなお過剰供給状態にあることを考慮すると、必然的に反発力は限定されることになる。仮に季節要因を反映して安値是正を進めるような動きがみられれば、戻り売り対応が基本になるだろう。

その一方で、40ドル台を大きく割り込むような必要性も見出すことは難しく、このままリバウンドなしに下値切り下げを打診する動きが見られるのであれば、物色妙味も浮上してくることになる。現行価格に対する評価は中立的であり、このまま35~60ドルという比較的大きめのレンジをコアに揉み合う展開が想定している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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