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NY原油20日:OPEC会合を控えて買い戻し膨らむ、期近は小幅続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油11月限 前日比0.34ドル安

始値 46.25ドル

高値 46.52ドル

安値 45.23ドル

終値 45.55ドル

米原油在庫の増加リスクが警戒され、当限は小幅続落した。ただ、2番限以降はドル安の影響もあって反発しており、全体的には安値修正の動きがやや優勢になっている。

前日の急落で下げ過ぎ感が意識される中、アジア・欧州タイムはやや安値是正の動きが優勢になった。21日に石油輸出国機構(OPEC)の技術会合開催を控えていることもあり、イベントリスクから買い戻しが膨らんだ模様。OPEC技術会合に関しては、ベネズエラの主張するプライスバンド制の再導入が議論される見通しだが、少なくとも今会合で実現する可能性はゼロに近い。ただ、こうした主張に同調する国が増えていることが確認されると、OPECが改めて生産調整に踏み切るリスクが高まる余地もあるため、売りポジションの整理が促された模様。もっとも、同日に発表される米原油在庫は375万バレルの増加予想となっているため、戻りでの売り圧力も強く、大きな値動きには発展しなかった。

季節要因から米製油所稼働率が低下する中、原油在庫に対しては積み増し圧力が強まり易い環境になっている。引け後に「APIが発表した原油在庫も前週比で705万バレルの急増となっており、原油相場は期近限月を中心に売られ易い。なお、短期スパンでは40ドル割れを打診する可能性も十分にあると考えている。まだ原油価格のボトムを確認するのは時期尚早である。ただ、米シェールオイルの減産傾向が続く中、40ドル割れから更に大きく値崩れを起こす必要性は薄れており、30ドル台まで突っ込んだ局面ではボトム形成狙いで買いを入れても問題はないとみている。35~60ドル水準をコアとした安値ボックスを想定している。短期スパンで戻り売り対応を継続し、突っ込んだ局面で押し目買い優勢の地合に転換する見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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