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NY原油12日:OPEC増産を嫌気し、急反落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油11月限 前日比2.53ドル安

始値 49.51ドル

高値 50.13ドル

安値 47.04ドル

終値 47.10ドル

石油輸出国機構(OPEC)からの増産圧力が再確認されたことが嫌気され、期近主導で急反落した。

アジア時間は総じて底固い展開となり、50ドル台を回復する場面も見られた。しかし、そこから改めて上値切り上げを試すことには失敗しており、引けにかけては買い玉整理の動きが優勢になっている。本日はOPECの10月月報が発表されているが、そこでOPECの9月産油量が日量3,157万バレルと前月の3,146万バレルを上回り、約3年ぶりの高水準に達したことが嫌気されている。

OPECは2016年の世界石油需要が2014年の日量9,135万バレルに対して、15年9,286万バレル、16年9,411万バレルと急激に拡大すると予想している。この対応として、積極的な増産政策が容認されている模様だ。ただ、マーケットでは現在の経済環境でここまでの需要拡大を実現できるのか懐疑的な向きも多く、OPECの過剰生産に対する警戒感が高まっている。単純に10月入りしてから急伸していた反動も大きいと見られるが、本日は買い玉整理の動きが優先されている。

OPECのバドリ事務局長は、需要拡大とOPEC非加盟国の生産鈍化を受けて、2016年中に国際原油需給のバランスがとれるとの楽観的な見方を示している。ただ、マーケットではこうした発言も殆ど材料視されておらず、需給均衡化への期待感が剥落していることが窺える。

シェールオイルの減産傾向が続いていることは間違いのない事実のため、急落リスクは限定されている。40ドル台でもシェールオイルに対する生産調整の動きが強まることが確認される中、下値を大きく切り下げる必要性は薄れている。ただ、OPECサイドの過剰供給が再びクローズアップされたことは、原油相場の戻り圧力を限定しよう。なお、世界の石油在庫は潤沢であり、OPEC非加盟国の生産調整を十分に進展させるためには、少なくとも本格的な原油高は許容できない。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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