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NY原油28日:リスクオンの地合回帰で大幅続伸

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NY原油28日:リスクオンの地合回帰で大幅続伸

NYMEX原油10月限 前日比2.66ドル高

始値 42.68ドル

高値 45.90ドル

安値 41.78ドル

終値 45.22ドル

需給面に特段の新規材料は見当たらないが、リスクオンの地合を背景に安値是正の動きが強まり、大幅続伸となっている。

アジア・欧州タイムは売買が交錯する不安定な地合いになったが、ニューヨークタイム入り後に買い圧力が強まり、一気に最大で3ドルを超える上げ幅を記録している。何か明確なポジティブ材料が浮上した訳ではなく、寧ろドル高連動で売られるシナリオも考えられた。しかし、世界的に株高傾向が強まる中、他商品市場と同様に原油市場でも安値是正の動きが強まり、一気に8月5日以来の高値を更新している。

もっとも、中国リスクの後退を考慮に入れても需給緩和状態・見通しが是正される訳ではなく、あくまでもポジション調整的な反発力との理解で十分だろう。特に、期先限月に対して期近限月の下げ過ぎ感が意識される中、世界的な株高を手掛かりに売りポジションの整理を進める動きが必要以上の上昇圧力に直結した可能性が高い。前日の40ドル台回復でテクニカルラリーの影響も考えられる。

当先のサヤバランスからは大きく値崩れを起こす環境にはない。期近を更に押し下げていくには、期先の値下がりが必要不可欠であり、このまま当限から投機筋主導で急落展開までは想定できない。ただ、株高連動で断続的に値位置を切り上げることは難しく、市場環境が落ち着きを回復すれば再び戻り売り優勢の地合に回帰しよう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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