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NY原油23日:需給緩和は解消できないとの懸念で、続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油9月限 前日比0.74ドル安

始値 49.23ドル

高値 49.63ドル

安値 48.21ドル

終値 48.45ドル

特に目新しい材料は見当たらないが、長期的な需給緩和に対する警戒感が強く、続落した。

アジア・欧州タイムは49ドル台前半でほぼ横ばい推移になったが、ニューヨークタイム入り後に戻り売り圧力が強まり、一気に値位置を切り下げた。特に目を引くような材料は見当たらなかったが、供給過剰状態の解消は難しいとの見方から底入れ観測を背景に買い進んでいた向きのポジション調整が継続している模様。引き続き中国経済に対しても根強い不安があり、前日の50ドル割れ後もじり安傾向が維持されている。

石油輸出国機構(OPEC)が大規模な増産政策を展開する一方、OPEC非加盟国の生産調整の動きは従来想定されていた程の勢いを有しておらず、価格低下で更に生産調整の動きを促す必要性を認識している向きが多い。過去6週の下落率が20%を超えたことで、弱気相場入りしたとの評価もトレンドフォローの売りを呼び込んでいる。

ドル相場の動向には注意が必要であり、低調な米企業決算を背景にドルが軟化すれば、原油相場は売りこみづらくなる。ただ、需給面に関しては特段の買い材料がないことに変化はなく、継続的なドル安の支援がなければ45ドル、40ドルと下値切り下げを打診する流れとなろう。

マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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