NYMEX原油4月限　前日比1.20ドル高

始値 42.51ドル

高値 44.83ドル

安値 42.03ドル

終値 44.66ドル

米連邦公開市場委員会（FOMC）後に為替相場がドル安に振れたことが好感され、反発した。

アジア・欧州タイムは足元の過剰供給に対する懸念が上値を圧迫するフローが維持され、一時42.03ドルまで下落した。アジアタイムにAPIが発表した原油在庫が前週比+1,050万バレルと急増したこともあり、在庫保管能力の限界が試されることに対する危機感が、原油相場の上値を圧迫するフローが維持されている。

実際に米エネルギー情報局（EIA）発表の原油在庫（3月13日時点）も前週比+962.2万バレルの4億5,850.8万バレルと急増している。クッシング地区に限定しても前週比+286.5万バレルの5,440.3万バレルとなっており、米国内で強力な需給緩和圧力が発生していることが再確認できる。製油所向け原油需要の低迷が続く一方、米国内産油量の増加トレンドには大きな変化がみられず、過剰供給分が在庫として積み増しされるフローが維持されている。

EIAによると、今年2月時点で米国内の貯蔵施設の稼働率は60%とされているが、その後の在庫急増状況が続いていることからは、実質的な貯蔵能力の限界ラインが近いとの見方が浮上している。こうした見方が強くなっている以上、米在庫増加トレンドにブレーキが掛かるまでは、なお瞬間的な下押し圧力を警戒しておくことが必要であろう。

本日は、FOMC後に為替相場がドル安方向に振れたことで、原油市場でも売りポジションの利益確定を進める動きが目立ち、時間外取引では45ドル水準まで更に切り返している。ただ、ここから継続的なドル安局面に転換するような必要性は乏しく、原油相場の底打ち判断にはなお慎重姿勢が求められよう。