NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。
記事一覧
- 台風でも宅配ピザを配達する必要はあるのか? 配達員の休む権利、事故の補償について考える
多くの配達員が、台風の直撃する12日、13日にも通常通り働くよう言われており、配達員の命や安全が危ぶまれる状況にある。災害時に休む権利や、事故の補償について解説したい。
- 働き方改革で増加する「休憩労働」 ジャパンビバレッジでも五度目の是正勧告
サントリー系自販機会社ジャパンビバレッジに対し、労基署が五度目の是正勧告を出した。違反内容は休憩未取得だ。この間、働き方改革の時短圧力で休憩を削られるという相談が増えているが、証拠の取り方を解説する。
- 深刻化する「ブラックインターン」 アルバイトの代わりに使われている実態
現在、大学生の8割がインターンシップを経験している。そんな中、アルバイトを減らすための「ただ働きさせる労働力」として扱う企業が蔓延している。実態と法的論点、対応策を紹介していこう。
- ウーバーイーツユニオンが提起した社会的課題とは? プラットフォーム型労働の法的問題を考える
10月3日、ウーバーイーツユニオンが結成された。同ユニオンは私たちの社会に新たな課題を投げかけている。本記事では増加するプラットフォーム型労働の働き手をいかにして保護していくべきか考えていく。
- 『海獣の子供』『鉄コン筋クリート』のスタジオ4℃で労使紛争! アニメ制作進行の「ブラック」な実態
映画『海獣の子供』『鉄コン筋クリート』などの人気アニメ制作会社「スタジオ4℃」で、制作進行の男性が未払い賃金の支払いや労働環境の改善を求めて団体交渉を申し入れた。アニメ制作進行の「過酷化」の要因を探る
- 「スト破り」に対抗する方法 佐野SAのストライキから考える
佐野SAで起きたストライキは、1ヶ月が経過した現在も未だ解決に至っていない。「簡単に代替要員が見つかる仕事の場合、ストライキをやっても意味がない」と失望感が広がりつつあるが、果たしてそうなのだろうか?
- 「ブラック化」する郵政グループ ブラック企業による消費者被害の共通点とは
日本郵政グループの問題が止まらない。不適切販売に加え、従業員の自爆営業も発覚した。被害者は私たち消費者だが、その背後には「ノルマ問題」がある。郵政以外の事例も紹介し、問題解決の方法について考える。
- もはや「身近な制度」 非正規雇用のための生活保護入門
低賃金で無貯蓄の状態に置かれた「中年フリーター」にとって、生活保護は健康保険や国民年金と同じように、「身近で有用な制度」である。そこで本記事では、生活保護制度の「正しい知識」を伝えていく。
- 沖縄で蔓延する「ブラックバイト」 国際通りのかき氷やで酷い事例も
沖縄では、本土から進出して地元の学生を都合よく搾取するブラックバイトが後を絶たない。今回は、本土企業が運営するかき氷屋でアルバイトをしていた大学生が、ユニオンを通じて未払賃金を勝ち取った事例を紹介する
- 佐野SAストライキは「手続き違反」なのか?
佐野SAで夏季休暇のさなかに行われたストライキが注目を集めている。多大な影響を与えた同ストだが、その影響力の大きさゆえに、「手続きに反している」との反応も見られる。果たして、ストは違法だったのだろうか
- 思ったより「深刻」なリクナビ問題 「スコア社会」への予兆か?
「リクナビ」の運営会社が、就活生のサイトの閲覧履歴などをもとに予測した「内定辞退率」を企業に販売していたことが波紋を呼んでいる。実は、この問題は、個人情報保護の問題にとどまらない危険性を孕んでいる。
- 職場の熱中症対策 データから見える「意外」なリスクとは?
厳しい暑さが続く中、仕事中に熱中症になった、なりかかった人も多いだろう。記録的な猛暑となった2018年は、仕事中の熱中症が前年の2倍以上に増加した。昨年の分析からは、「意外な危険性」が見えてきた。
- 「手取り23万」「食費4万」は果たして「贅沢」なのか?
最低賃金引き上げに合わせた「NEWS ZERO」の特集で、「手取り23万」「食費4万」の労働者の生活が取り上げられ、ツイッターのトレンド入りした。これには批判が多いが、果たして「高収入」なのだろうか。
- 高校野球はブラック企業の温床か? 張本氏の発言を労働相談の現場から考える
ここ数日、高校野球の県大会決勝で、エース投手を起用しなかったことについて、賛否両論が巻き起こっている。一方、労働相談の事例からは、過酷な「ブラック部活」がブラック企業の温床になっている実態が見えてくる
- 「固定残業代100時間」をめぐり集団訴訟へ 問われる「脱法」制度のあり方
飲料自販機会社の大蔵屋商事に対し、月96時間もの残業を前提とした固定残業代は無効だとして残業代支払を求める訴訟が起こされた。「定額働かせ放題」制度として運用されている固定残業代制の見直しが迫られている
- 参院選:統計データが示す高齢者世帯の貧困 老後と年金の知られざる「事実」とは
老後資金「2000万円」が重大な政策的な争点となっている。今回は、「老後の生活」のリアルな実態を統計データから検証し、老後政策の問題点について考えていきたい。
- 各党「雇用政策」比較 「働き方改革」はどうなっていくのか?
「働き方改革」が注目される中、労働政策は選挙の重要な争点だ。また、今回の選挙では、労働問題の「当事者」が多く立候補するという異例の状況となっている。そこで、今回は各政党の雇用政策を比較していきたい。
- 与党は「労働」についてどんな姿勢だったのか? ーーパワハラ、残業、内部通報、外国人ーー
21日に参議院選挙が行われる。「働き方改革」の掛け声のもとに、実効性のある政策は打たれてきたのだろうか。今回は選挙に合わせ、この間の政府による「労働対策」を検証していこう。
- 倒産する有名子供服ブランドが“タダ働き”を強要? 会社の倒産に対処する方法を考える
会社は倒産するのに、出勤を求められる。こんな事態がツイッター上で話題となっている。実は、倒産に関連する労働問題は以前から多く、法律も整備されている。会社が倒産したと起動すべきか、対処法を解説する。
- 労基署に通報した教員は地獄行き!? 文理開成高校の過酷な労働環境
先日「パワハラ防止法」が国会で成立するなど、パワーハラスメント対策は日本の急務となっている中で、教育現場で苛烈なハラスメントが発覚した。凄惨な実情を報告するとともに、問題の構図を解説していきたい。
- 留学生が「強制帰国」を争って日本語学校を提訴 日本の介護現場を支える違法労働の実態とは
昨日、フィリピン人留学生が日本で初めて、日本語学校の行った「強制帰国」の責任を問う訴訟を提起した。権利侵害が蔓延する外国人労働者の職場、人材派遣会社化する日本語学校のあり方にメスを入れる重要な事件だ。
- なぜブラック企業は「辞められない」のか? 本当の「対処術」を探る
会社を「辞められない」ことが社会問題化し、「退職代行サービス」がビジネスとして普及するようになった。なぜ辞めることができないのか。代行ビジネスは本当に役立つのか。具体的なケースから「対処術」を探る。
- ローソンのオーナーが、本部へ24時間営業の見直しを要求 ブラックな「秘密条項」も
今日、これまで問題にされてこなかったローソンでも、オーナーが本部に団体交渉を申し入れた。同社でも、長時間労働や違約金の問題が発生していたのだ。では、なぜこれまでローソンだけは問題化してこなかったのか?
- 「パワハラ防止法」では、パワハラを防止できない
パワハラ防止法が制定された。それ自体は画期的なことである。しかし、その「中身」を見ると、実行力がほとんどないと言わざるを得ない。法律の問題点と、本当の解決策について考えていこう。
- 「大人食堂」はなぜ必要か? 「大人」も支援や居場所を求めている
「子どもの貧困対策」が注目を集める一方で、大人の貧困も深刻化している。むしろ、大人の貧困は子どもの貧困の原因である。そんな中、「大人食堂」の取り組みが始まった。紹介を通じ、対策のあり方を考えていこう。