日本球界復帰が噂される田中、データが示す投球の安定感

(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 高校2年夏に甲子園優勝を果たし、3年夏も決勝に進出すると引き分け再試合という球史に残る熱戦を演じる。プロ入り後もシーズン24勝無敗に日本シリーズで先発した翌日に抑えとして登板し胴上げ投手になる。アマチュア時代から世代の中心であり続けた田中将大(ヤンキース)がFAとなり、今季の所属先がまだ決まっていない。古巣、楽天の石井一久GMが前向きなコメントを残すなど大投手の日本球界復帰が現実味を帯びてきた。

被本塁打以外は日本と変わらず高いパフォーマンスを発揮

 田中は日本での通算防御率が2.30と非常に優秀。メジャーでは3.74となっているが毎年ローテーションを守っており投球内容も優れている。

 (被安打+与四球)÷投球回で計算されるWHIPは1イニングに何人の走者を出したかを示す指標。先発ならば1.2未満がエース級、1.0を切ればリーグを代表する好投手、1.4以上だと問題ありというのが目安とされている。田中は日米どちらでも7年間を過ごし登板数は日本が175試合でメジャーが174試合とほぼ同じ。そして通算WHIPも日本が1.11でメジャーが1.13と同じような好成績を残している。

 田中の凄さはこれだけではない。1つ四球を与える間にいくつ三振を奪ったかを示すK/BBは3.5以上が優秀の目安。この数値が高い投手は奪三振能力と制球力に優れた完成度の高い投手とされている。田中の日本での通算K/BBは4.50と文句なしに優秀。そしてメジャー通算K/BBは4.76とさらに成績を向上させている。昨季のNPBで規定投球回に到達した投手の内、4.76を超えたのは沢村賞を受賞した大野雄大(中日)と巨人のエース・菅野智之(巨人)の2人だけ。NPB単年であっても難しいほどの数値をメジャー通算で叩き出しているのだから実力の高さは疑いようがない。

NPB通算100勝目はバリバリのピッチングスタイルで

 被本塁打率の悪化が示すようにコンタクトされた際の飛距離という点では苦戦しているものの、NPBよりパワーで勝るメジャーにおいてある程度は仕方ないところ。日本に戻るとすればボールや環境の違いについては元々プレーしていたのだから適応へのハードルも低いはず。メジャーでの実績がありながら結果を残せない助っ人外国人のような存在になる可能性は低いだろう。NPB通算99勝の右腕が日本球界復帰となれば与えるインパクトは絶大なものになる。節目の1勝は全盛期を過ぎた晩年ではなく、バリバリのピッチングで掴み取ることになるのだろうか。