全国医療的ケア児者支援協議会事務局長の駒崎です。

 我々が2014年から訴え続けてきた、「医療的ケア児にも居場所と支援を」を可能にする施策を厚労省が決定したようです。

【医療的ケア児加算の概要】

医療的ケア日常的に必要な子ども支援で報酬加算へ

9月22日 NHK NEWS

たんの吸引などの医療的なケアが日常的に必要な子どもが増えていることから、厚生労働省は、来年春に実施する障害福祉サービスの報酬改定で、こうした子どもの受け入れ体制を整えた福祉施設への報酬を加算し、支援を広げていく方針を固めました。

厚生労働省によりますと、日常的にたんの吸引などの医療的なケアが必要な19歳以下の子どもは、平成27年度の推計で1万7000人に上り、10年前と比べておよそ2倍に増えています。

背景には、医療技術の進歩で、命を救える子どもが増えていることなどがあるとされています。しかし、障害のある子どもを支援する福祉施設の多くは、たんの吸引器具などを扱える看護職員がいないことなどから医療的なケアが必要な子どもを受け入れられずにいます。

厚生労働省はこうした子どもたちの支援体制を拡大しようと、来年4月に実施する障害福祉サービスの報酬改定で福祉施設が受け入れ体制を整えた場合、報酬を加算する方針を固めました。

加算の対象となるのは、たんの吸引器具などを扱える看護職員を配置したり、送迎体制を整えたりして、医療的なケアが必要な子どもを受け入れた施設です。厚生労働省は今後、専門家などの会議で、配置する看護職員の人数などの加算の具体的な条件や、加算する報酬の金額を決めることにしています。

 また、多少専門的になりますが、現在厚労省内で議論されている制度内容はこちらです。

医療的ケアが必要な障害児の支援に係る報酬・基準について≪論点等≫

 非常に喜ばしい、念願の一歩です。胸に迫るものがあります。

 この成果は、超党派の議員たち、そして関係省庁の官僚のみなさんが集う「永田町こども未来会議」が打ち出してきた方向であり、政官民間福祉の垣根を超えた対話と努力に、心から敬意を表します。

 参考)永田町こども未来会議提言書 

【課題】

 さて、これで万事がうまくいくのでしょうか。正直、まだ分かりません。というのも、加算額がまだ決まっていないためです。

 医療的ケア児の預かりには、看護師人件費も含めて非常にコストがかかります。この加算が本当にそのコストに見合うのかどうか、がポイントです。

 もし見合わなければ、次の報酬改定の三年後までは、少なくとも医療的ケア児家庭は今の困難な状況を味わい続けなくてはなりません。当事者も含めて関係者の皆さんは、最後までしっかりと政策担当者に思いを伝え続けていかなくてはなりません。

【自治体の政策変更】

 厚労省が報酬改定で方向性を確定させたのを機に、自治体もその動きに続かなくてはなりません

 特に東京都は俗に「重心児都加算」と呼ばれる重心児向けの加算に、医療的ケア児が含まれていないという制度的瑕疵を放置したままです

 またいまだに、都道府県立特別支援学校での医療的ケア児の保護者の付き添い強要が行われています。こうした状況を変えていくためにも、自治体にも国に遅れを取らずに、迅速なアクションを期待したいです。

 以上、医療的ケア児支援の現場からでした。