崎山つばさ、『刀剣乱舞』の刀剣男士として注目!次なる“顔”は!?

この日はニュートラル!?な“顔”の崎山つばささん

 人気ゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」が原案のミュージカル『刀剣乱舞』に出演する「刀剣男士」の一振りとして、昨年末の「第69回NHK紅白歌合戦」に企画枠で初出場を果たし、大ブレイク中の崎山つばささん(29)。加えて、1stアルバムを発売し、初主演映画も公開…とすさまじい勢いで芸能界の階段を駆け上っていますが、実は自身の“スタート”にコンプレックスを感じた時期もあったとか。小学生時代から振り返りつつ、両親の秘話も交えて自身の“顔”について語ってくれました。

――「刀剣男士」は、「紅白」のリハーサルの囲み取材でも取材陣が一番多くて、注目度がすごかったですね。

 ありがとうございます。囲み取材なので、もちろんリポーターさんや記者さんらとのやりとりに台本はないんですけど、「刀剣男士」としての出場なので、そこはキャラクターとして徹底して対応しました。

――「紅白」のステージ側から見た景色、どうでした?

 夢のような時間だったなって今でも思います。本当にどこを向いてもテレビで見る人ばかりで、ずっと子供の頃から見ていた番組に自分が出ているっていう、なんか現実味がわかなくて。

 パフォーマンスをしていても、本当にここ「紅白」なのかなって。意気込みも持っていたし、歴史を作るぞって気持ちもあったけど、緊張もしました。経験したことのない時間でした。

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――ブレイクしてもファンへの“神対応”は変わらないんですね。某番組でその様子が密着されていて、すごいなと。

 神対応をしようと思ってやっているわけじゃないんですけど、ファンの方に楽しんでもらいたいし、ファンが楽しんでくれていると僕もうれしいので。

 ファンの年齢層は幅広いですね。やっぱり、きっかけはミュージカル『刀剣乱舞』で知ってくれて…という方が多いです。

――ミュージカル『刀剣乱舞』は、2015年にスタートしていますが、出演のきっかけはオーディションでの合格?

 はい。最初、トライアルの時は役作りの情報が少なくて、手がかりがキャラクターのボイスとイラストしかなかったんです。そこから脚本とすり合わせて、“どういう刀剣男士だ”とか“どういう性格だ”とかを自分で想像しながら、作り上げていった感じです。

 その後にアニメ化されたりグッズが出たりとキャラクターの新しい部分が見えてきて、そこで情報を蓄えてスパイスを入れて、今の石切丸になったっていう感じです。

 

 2次元と3次元の間「2.5次元」として演じているんですが、原案ゲームのキャラクターボイスなども意識しています。やりすぎると“ものまね”になるので、そこのさじ加減が難しいです。

――2.5次元の舞台って、最後の最後まで役者さんの名前を言わないなど、キャラクターとして徹底していますよね。

 そうなんです。ミュージカル『刀剣乱舞』では、最後の最後、カーテンコールでも言わないほど徹底しています。あいさつも、刀剣男士としてします。セリフは決まっているけど、あいさつの内容は自分で考えることもあります。同じ役をこれだけ長期間やらせてもらえることもなかなかないので、その中でなじんでいった…というのが大きいですし、やっていく中で「石切丸としてどうあるべきなんだろう…」って考えながらきたので、演じるというより、“石切丸になる”という感覚ですね。お客様の前に立ったら石切丸がそこにいる、っていう感覚です。

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――昨年12月には崎山つばさとしての1stアルバムも発売されました。歌はいつから?

 崎山つばさとしては2017年11月からです。

 実は、父がアマチュアのロックバンドをやっていて。今回のアルバムには、父のアルバムの曲をカバーしたものが1曲入っているんです。たまたま実家に帰った時に、母が車で父の昔のアルバムを流して。僕は、父がバンドをやっていたのは知っていたんですけど、曲は聴いたことがなくて、「これお父さんの曲?」と聞いたら、「そうだよ」って。そこで薦めてくれたのが、『IN THE HIGHWAY』でした。父の時代に流行っていた“BOΦWY節”みたいな感じです。これ、もしかして僕が歌ったらおもしろいんじゃないかなって思ったんです。

 12曲くらい入っているそのアルバムを焼いてもらって、プロデューサーさんに渡して、「1曲でも、この中から僕のアルバムに入れられる曲があったら歌いたいんです」ってお願いしました。で、『IN THE HIGHWAY』がいいってことになり、僕が現代風にアレンジしてアルバムに収録しました。

――お父さん、喜ばれたでしょう?

 

 喜んでいましたね。でも、味をしめたのか「他にもいい曲があるんだよ」って(笑)。まだ隠れた名曲があるらしいです。実は、父は矢沢永吉さんが一番好きで、母が「BOΦWY」が好きなんです。だから、父の“BOΦWY節”の曲をカバーしたことを、母の方が喜んでいましたね。

 母は、僕の活躍を全身で楽しんでいるというか。舞台やライブも毎回観に来てくれるし、僕の情報を逐一チェックしていて。今までは母は、スマホとか全然いじってなくて、ツイッターとかも全然疎かったんですけど、最近はそういったものを駆使して、僕の知らない情報とかまで握っていますね。だから、「あ、それもう情報解禁で出てるんだ」って、母から知る…ってこともあります。家族に応援してもらうと、うれしいです。

――3月には、初主演映画「クロガラス1」(9日公開)、「クロガラス2」(30日公開)が公開されます。崎山さんのイメージを覆す、ミステリアスで冷酷な役柄ですが?

 そうですね、真逆の役柄でした。でも僕は、自分に近い役柄の方がやりづらいんです。離れていればいるほど、演じやすい。自分に近いと“自分”が出ちゃいそうで。離れた役だと、自分にないものを出せばいいという感覚があります。その部分を研究したり、蓄えたりすればいいので、やりやすいですよね。

 映画では、冷酷だけど実はいい人なのかも…という含みを持たせる演技を心がけました。「クロガラス」は完全オリジナルで、しかもエピソード1、エピソード2とつながる構成になっているので、もしかしたら“その先(続編)”もあるかも…って思ってもらえる余韻を大事にしよう、と、監督と話し合いながら演技を練りました。

――ミステリアスで冷酷な役作りは、どうやって?

 新宿の歌舞伎町が舞台なんですが、歌舞伎町にあまり行ったことがなかったので、まず改めて街に行ってみるところから始めました。あとは、歌舞伎町を舞台にした他の作品を観たりして、自分の役柄を研究しました。

――1人で歌舞伎町を歩くだなんて、崎山さんの顔立ちだとホストにスカウトされたんじゃないですか?(笑)

 危なかったかも(笑)。もともと僕の中の歌舞伎町のイメージって、ホストとか、大人なお金のニオイとかあったんですけど、実際に行って演じてみて、すごく歌舞伎町のイメージがいい意味で変わりました。

――芸能界に入ったきっかけは?

 

 23歳の年です。そもそもは、大学生の時に読者モデルをやっていて、そこから芸能界に興味がわきました。

 最初はモデルがやりたくて事務所に入ったんですけど、事務所の先輩がやっていた舞台を観に行った時にすごく衝撃を受けました。舞台を観たことがなかったのと、目の前で生身の人間がすごい熱量で汗を流し、その息遣いも聞こえることに感動して、そこから舞台やってみたいなって思って足を踏み入れたんです。

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――芸能界入りとしては、昨今の流れ的には遅いスタートですが?

 自分としてはスタートが遅いっていうのがものすごくコンプレックスで。現場に入って、オーディションや舞台などで自分より若い人が多いっていうのと、スタートが一緒なのに年齢が自分の方が上っていうのが、すごくマイナスな気がしていたんです、芸能界に入った頃は。そんな思いが、すごく自分の中でモヤモヤするというか、コンプレックスでした。

 

 でも、舞台の演出家さんに“ある言葉”をもらって、その辺を境に考えなくなりました。その演出家さんも、26歳と遅い時期から脚本を書き始めたことにコンプレックスを感じたそうです。けど、スタートが遅いっていうことはその分、経験を積んでいるということ。より多くの経験値を持っていればいい…みたいなことを言ってもらって肩の荷が下りました。人よりもたくさん経験して、得るものを得ていればいいかなって。僕が26、27くらいの時ですね。

――そこから、仕事への意識は変わった?

 

 人と同じようなことをしていてはダメだなって思うようになりました。若い子と同じように稽古したり、セリフを読んだりしてもダメだなって。具体的には、殺陣(たて)が初めてだったのでひたすら基礎練習をしたり、歌も同様に。きっとそんなことが今後に活きるだろうなと。それが今、花開いてきているのなら、うれしいです。

――奮闘する中で、印象に残っている仕事は?

 初舞台です。「孤島の鬼」っていう江戸川乱歩さんの作品で、主人公の10年後の役を演じました。ものすごいセリフ量で、乱歩作品なので言い回しも難しくて、初舞台で無我夢中だったんですが、自分が初めて舞台を観た時に感じたものを上回る、興奮とか幸福感とか、すごく満たされて。

 なんか自分は、舞台をこれから先もやっていきたいんだなって思えたし、経験値として大きな一歩に感じた作品です。大変だったけど、すごくいい経験をさせていただいた。世界観もすごく、演劇ってものを教えてもらいました。根底になっています。

――以降、その思いを超える経験は?

 演劇は1つ1つが違いますから。でも、それに近いのは、ワンマンライブでしょうか。言葉では難しいんですけど、同じように、初めて舞台に立った時に感じた高揚感を感じましたね。

 仕事でいろんな経験を積む中で、もちろん壁にぶち当たることはあるんですけど、逆に僕にとってそれが“やってるな”って手応えを感じる1つのエッセンスというか。その壁を乗り越えたいな…って思う性格なんです。乗り越えた時に見える景色がきっといいものなんだろうなって思うので。

――お料理の連載もしているとか?

 TVガイド 「Stage Stars」の料理企画「つばさ食堂」です。料理が趣味なので、普段作っている簡単なレシピを公開しています。何でも作ります。和食、洋食、お菓子…。カレーが好きなので、先日はカレー粉を入れたパウンドケーキを作ったんですが、すごくおいしかったです。

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――俳優、2.5次元、歌、料理…。いろんな“顔”を持っていらっしゃいますが、一番好きな顔は?

 舞台は舞台、歌には歌の顔があるので、どれがどれっていうのは難しいですね。

 ただ、いろんな役者さんや芸能人の方がいる中で、僕を応援してくれるファンがいるのはすごく幸せなことだと思います。だから、そういった方たちに、常に新しい顔を見せたいなっていうのがあります。だからこそ、いろんな方面の仕事にチャレンジしたいし、いろんな役、人を演じてみたいと思っています。

 

 これからやりたい仕事は、バラエティー番組です。クイズ番組とか、新たな自分を見つけられるかなって。俳優としてだと、先生役とか刑事役とか。ごりごりの悪役もやりたいし。

 実は、小さい頃からクラスで笑いを取るのが好きで。おかしなことをして笑ってもらうのが好きな少年でした。ひょうきんで、お笑いタレントさんのまねとか変顔とか。人が笑っているのが好きっていうのはその頃からありました。

――ひょうきんな“顔”は意外ですね。ところで、自宅での“顔”は?

 家にいるのが好きなんです。インドアなんですよ。休みの日は、テレビが好きなのでずっと見ていたり、映画とか、本も読みます。ソファから一歩も動かず、ソファの上でできることだけをしています(笑)。

(撮影:KOZOクリエイターズ)

【インタビュー後記】

 崎山つばささんを初めて見たのは、テレビ番組が密着取材したVTRでした。ファンの望みをかなえ、壁ドンしたり名前を呼んだり…。深夜まで及んだファンサービスも、最後まで笑顔を絶やさない。まさに“神対応”する姿に釘付けになりました。ミュージカル「刀剣乱舞」の石切丸では、物腰が柔らかく、バンドで歌う際には艶っぽく変わる。見るたびに違う顔を見せる崎山くんに興味を引かれました。インタビューで真摯(しんし)に答える姿から、これまで彼が培ってきた経験が、様々な顔を作り上げているだろうなと。初主演映画「クロガラス」では、また違う顔を演じています。さて次は、どんな顔を見せてくれるのか…、その変化を楽しみにしたいと思います。

■崎山つばさ

1989年11月3日生まれ、千葉県出身。B型、身長175cm。特技は野球、サッカー。趣味は神社巡り。昨年12月19日に1stアルバム『UTOPIA』発売。今年3月に初主演映画「クロガラス」(エピソード1=9日公開、エピソード2=30日公開)が公開される。また、同20日には1st LIVE DVD「UTOPIA」も発売。4月には主演舞台「幕末太陽傳 外電」(4月18~28日、日本橋・三越劇場)の上演が予定されている。