友近、多才な芸の原点を語る!気になる結婚は?

充実感漂う笑顔の友近さん

 “ひとりコント”で人気を博し、コメンテーターとしてテレビ出演するのはもちろん、成りきり憑依(ひょうい)芸から水谷千重子というスターまで生み出したかと思いきや、「キーポンシャイニング歌謡祭」という“「紅白」並み”の豪華公演も行うなど、枠に収まりきらない活動を見せているお笑いタレント・友近さん。インタビューにはほどんど応えない彼女が、多才かつ変幻自在な自身の原点、気になる結婚についても語ってくれました!

――“ひとりコント”の原点は?

 今やっているネタは、家で姉とやっていたくだらないことを、改めてエンターテインメントとしてやっている感じなんです。例えば、【「ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース」の『The Power of Love(パワー・オブ・ラブ)』に合わせながらお好み焼きを焼く】だったり、【マイケル・ジャクソンの『BAD』に合わせつつ恵方巻を作って、最後の『♪Who’s bad?』のところで口に入れる】みたいな。本当に、小さい頃からやっていたことを、昇華させてやっているだけなんです。

――昔から、1人で遊ぶのが好きだった?

 そうですね。今も1人でブラブラするのが好きだし、半日空いたら1人で温泉行ったり。みんなで行くのも楽しいんですけど、なかなかスケジュールも合わないので。

 よく行くのは、「ワイドビューひだ」に乗って(岐阜県の)下呂温泉とか、(愛知県の)知多半島あたり。名古屋で毎週番組(CBCテレビ「なるほどプレゼンター!花咲かタイムズ」)をやっているので、その後に行くことが多いです。

 だから、全然鉄道オタクじゃないのに分厚い時刻表を毎日携帯してるんですよ。毎月ダイヤが変わるたびに買い替えて。「こっちの方が早いな」とか、見てたら分かるようになるし楽しくて。電車だけじゃなく、飛行機も、船も、バスも、全部載ってるから、あれこれ考えられて便利なんです。

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――海外にはあまり行かない?

 海外は怖いから。スリに遭ったらどうしようとか、言葉も通じないし、手続きもややこしいし。でも日本だったらどこにでも行けます。国内で遠方となると…距離的には近いんですけど、東京から新幹線で長野まで行って、長野からバスで2時間走って…という、とある温泉に行きました。そういうローカル線が長くて“遠い感じがする”のが好きだったりするんです。

 1人でローカルバスに揺られて、なかなか着かなくて「これ、どこまで行くん?」って若干不安になりながらの行程も楽しくて。お笑いトリオ「森三中」の大島(美幸)さんにその温泉を勧めたら、実際に行ってくれたんですけど、「あの(寂しくて長い)道のり、友近さん1人で行ったんですか?すごいですね」って感心されました。

 道々は、素の友近として1人で楽しんでいることもあれば、何かに成りきっていることもあります。土曜ワイド劇場とかで流れていたような古い悲し気な曲、例えばポール・モーリアの『エーゲ海の真珠』とかを(携帯型音楽プレイヤーなどで)流しながら、“自分は罪を犯して、息子を家に残してきて1人で今から遠いところに行くところ”みたいな設定を作って、その人に成りきって「こんなお母ちゃんでごめんね…」とか、心の中でセリフをつぶやいたりして。そういう私の日常の楽しみの延長上に、仕事があるんです。

“成りきり遊び”を再現してくれる友近さん
“成りきり遊び”を再現してくれる友近さん

――そんな楽し気な旅の行き先を選ぶ基準は?

 古い雰囲気が好きなので、そういうところを選んでいます。実家の愛媛県にはノスタルジックな場所が多く残っていて、だからよく帰るんです。今度もまた仕事で帰るんですけど、私、あえて実家に泊まらないんです。道後(温泉)に泊まって、雰囲気を満喫します。宿は「じゃらん」で取って。私、芸人の中で一番「じゃらん」を使っていると思います(笑)、ポイントもためてるし。

 愛媛県には「ニュー道後ミュージック」っていう老舗のストリップ劇場があって、何回か行ったことがあります。最近も“今どうなってるんやろ”と思ってふらっと寄ったんですけど、店内では(出演している)年配の女性ストリッパーを見て“どうやってここにたどり着いたんかな?”とか、その人のバックボーンを考えるのが好きで。いやらしい目線だけじゃなく、その人の人生を見ているんです。人生っておもしろいなって。

 

 実は、お笑いトリオ「ロバート」の秋山(竜次)さんも私とまったく同じ考えで、この間、一緒に「ニュー道後ミュージック」に行ったんですけど、2人して出演者のあれやこれやを想像し合って(笑)。お互い、こういうところが憑依芸につながってるんやなって改めて思いました。

――秋山さんは、水谷千重子さんのステージに「倉たけし」として出演されていますね。

 秋山さんとの付き合いは6年くらい。私が水谷千重子を始めてから一座みたいなファミリーを作りたいと思って、価値観の合う人を誘おうと声をかけさせてもらったんです。秋山さんは今、打ち合わせなしでもすぐに“できる”相手。お互いの信頼関係でやっています。

 秋山さんとは、小さい頃から思ってきたことが本当に一緒で、口ずさんでいた歌とか子供の頃に見ていたものとか、目線が一緒だったんだなって。“答え合わせ”が何度もできて、「間違いないな」と。いろんなスピリチュアルな人にも「秋山さんとの関係はかけがえのないものですよね」って言われるんですけど、そうだと思います。

――その秋山さんと、今回新たな挑戦を。

 動画配信サービス「大阪チャンネル」で、2人でタッグを組んで「国産洋画劇場」という番組をスタートさせました。誰もが知っている名作洋画をモチーフにして、登場人物の設定・ロケ地・役者・スタッフ…すべて“日本国産にこだわって洋画を作る”という、意味が分からないおもしろさを追求したオリジナル作品です(笑)。お互いに憑依芸全開で、本気のキスシーンにも挑んでいます。

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――マルチに活躍する友近さんが、一番大事にしているのは?

 やっぱり単独ライブかな。自分が見てきたことやアンテナ張ってきたことを集めて作品を作ってお披露目する場ですし、「友近はこの1年こんなこと考えてました」と、ファンとか理解者に発表する会だと思っているんです。そういう意味で確かめ合えるし、芸人としての充実感、満足感を一番得られます。ファンを裏切りたくないし、「来年も来よう」と思ってもらえるものを絶対に作りたいんです。

――仕事が楽しくて仕方ない気持ちがすごく伝わりますが、結婚は?

 この間、水谷千重子の「キーポンシャイニング歌謡祭」を観に来てくれた東MAX(「Take2」の東貴博)さんに言われたんです。「これだけ作り込んで…。あ、この人やっぱり結婚しないわって思った」って(笑)。この人はずっとここで生きるんだろうなっていう覚悟が見えた、と言ってくれて。完成度が高いと思ってくれたってことですからうれしかったんですけど。

 1人が好きだし、本当に仕事が楽しくて仕方ないんです。単独ライブも、3時間出ずっぱりで疲れるはずなのに、やればやるほどアドレナリンが出て楽しくて。終演後に打ち上げに行って夜中12時くらいになっても、テンション上がりすぎて楽しすぎて、そこから私サイクリングに行ったりするんです。そんな様子からも、みんな「この人元気だし、結婚しないな」って思ったみたいです。

 でも私、結婚しても変わらないと思います。だから、ふっと誰かと籍を入れて、その1分後には仕事してる…みたいな、お買い物に行くついでに婚姻届を出すような感じでさりげなく。ある程度の理解があって、バックアップしてくれてっていう人が必要だと思いますけど。

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――水谷千重子として、明治座で初座長を務めることが決まりましたね。

 「水谷千重子50周年記念公演」と銘打ってやらせてもらうことに。実は密かに思ってたんです。明治座で水谷千重子の公演をできたらおもしろいだろうなって。

 水谷千重子としては、「キーポン…」とは別に毎月、主要都市ではない少し郊外で「ありがとうコンサート」を開催しているんです。人っ子一人いないような田舎でも1000人くらい集まってくれるから、それがうれしくて、だからふざけられないっていうか。いや、根底にはふざけてるっていうお笑いがあるんですけど、歌は本当に真剣に上手に歌おうって思っているので、力を入れて歌います。そうしたら、80~90代のおばあちゃんとか「元気が出ました、ありがとう~!」って涙流して喜んでくれて。1つのキャラがおばあちゃんたちを元気づけたりしているんだって思ったら、こっちが泣けてきて、これはこれでちゃんと活動していきたいなっていう気持ちになりました。

 

 今は「キーポンシャイン歌謡祭」という形で毎年やるようになって、「ありがとうコンサート」は郊外で毎月開催して。地道なそれらの活動が、明治座につながったのかなって。

提供:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
提供:よしもとクリエイティブ・エージェンシー

 

――今やすっかり、水谷千重子がスターとして“ひとり歩き”していますね。

 実は今回の「キーポン…」の感想は、「おもしろかった」じゃなくて「感動しました」が多かったんです。

 例えば、今季で引退したプロ野球・中日ドラゴンズの荒木雅博さんは、名古屋の番組で知り合いになって、公演を観に来てくれたんです。その時は荒木さん、まだ引退表明してなかったんですけど、公演を観た後に、「水谷千重子さんのコンサート観て初めて、現役じゃなくなることが寂しいと思いました」って。自分はもう、こっち側(観客)の人間になるんだ、現役で人を感動させることができなくなるんだって思ったら、ちょっと涙が出てしまったって言ってくれて。レジェンドの荒木さんにまでそんな風に思ってもらえて、これはもう1つ1つの活動を大事にせなあかんなって思ったし、そんな風に水谷の活動が、ちょっと感動系に変わってきてるんですよ。その真剣さが伝わって、明治座からお声がけをもらったのかなと。参加してくださるゲストの皆さんにも失礼のないよう、ちゃんとしたものをやりたいなって思います。

――今回の「明治座」もですが、「キーポン…」もビックリするほどゲストが豪華で。

 本当に「紅白」並みです。よく音楽番組とかのプロデューサーに、「どうやって声かけたんですか?」って驚かれるんですが、誠意をもって自分でオファーのお手紙を書いています。プロデュースも声かけも、すべて自分。そこは事務所には頼りません。自分が納得できる楽しいものにするために、全部自分で構成もしますし。秋山さんとのコラボも自分たちで考えていますし、もちろん単独ライブも。

 表舞台だけではなく、チケットの券売情報もイベンターさんに自分で直接連絡して「今どれだけ埋まってます?」と毎日チェックして。関係者席の配置にも、心を配ります。関係者の中でも、お金を出してくれる方と招待の方がいるので、それだったらお金出してくれる方をいい席にしないと。いただいたお花の並び順とか…開演の1分前までそういうのを確認して。他に、出演者やスタッフが食べるケータリングのメニューも決めさせてもらってます。

 芸に対してアンテナを張って、事務的なことももちろんチェック、そして自分の満足する作品を作り上げる…とにかく時間が足りないくらい大変なんですけど、文字どおり充実しています。

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(撮影:KOZOクリエイターズ)

【インタビュー後記】

 会うたびに「キレイだな~」と思う。大阪の番組で初めて会ってから15年くらい経つが、いつも「今が一番輝いている」と思わせる魅力が友近にはある。まさに「キーポンシャイニング」!共演者、スタッフ、チケットの売れ行きまで、インタビューで明かした仕事へのこだわりは、常に第一線で活躍する秘訣だ。「仕事が楽しくて仕方ない」と笑った顔は、ひときわ輝いていた。

■友近(ともちか)

1973年8月2日生まれ、愛媛県出身。B型、身長155cm。NSC大阪校 23期生。趣味は料理。特技は、大映ドラマを語る・あてぶり・ものまね・歌・創作ダンス。「R-1ぐらんぷり2002」(第1回)ファイナリスト、「NHK新人演芸大賞」(03年)演芸部門【大賞】、「ABCお笑い新人グランプリ」(04年)【優秀新人賞】、「R-1ぐらんぷり2004」(第2回)ファイナリストなど、受賞多数。女優としては、NHK連続テレビ小説「芋たこなんきん」、「あさが来た」などのほか、今年10月期のTBS系「中学聖日記」(火曜・後10時)にも出演。2019年2月22日~3月4日に「水谷千重子50周年記念公演」と題し、明治座で初座長公演を行う。動画配信サービス「大阪チャンネル」で、「ロバート」秋山竜次とのタッグによる「国産洋画劇場」が配信中。