中国・小米(シャオミ)のスマートフォン世界販売台数が2021年6月に初めて世界首位になったと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが香港のカウンターポイント・リサーチのリポートを基に報じた。単月の世界販売台数でシャオミが韓国サムスン電子を抜いたのは初めてだという。

米政府の禁輸措置により、中国大手の華為技術(ファーウェイ)がスマホランキングで失速したが、シャオミはその穴を埋めるように欧州、東南アジア、中国などの市場で躍進しているという。

欧州市場に強み、スペインやロシアで勢いづく

カウンターポイントの別のリポートによると、21年4〜6月期における世界スマホ出荷台数の上位3社は、サムスン(5800万台)、シャオミ(5300万台)、米アップル(4900万台)。シャオミは同ランキングで初めてアップルを上回り2位に浮上した。

その理由は欧州地域での強み。同4〜6月期の出荷台数をロシア・独立国家共同体(CIS)地域を含む欧州市場に限って見ると、首位はシャオミとなる。同社のこの地域でのシェアは1年前からほぼ2倍に到達。価格に敏感なスペインなどの市場でのシェアは40%に上る。ベルギーやデンマーク、ロシア、ウクライナでもシャオミは首位だという。

雷軍CEO「3年以内にサムスン抜いて世界首位」

メディアなどにも多く登場するシャオミの雷軍CEO(最高経営責任者)は、「我々は中国のスマホメーカーとして欧州市場で初めて首位に立った。世界全体では当面2位を維持し、3年以内にサムスンを抜いて世界トップになる」と意気込みを示している。

シャオミの雷軍董事長兼CEO(最高経営責任者)
シャオミの雷軍董事長兼CEO(最高経営責任者)写真:ロイター/アフロ

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、シャオミは13年まで中国のトップメーカーだった。だがその後ファーウェイが台頭し、首位の座を奪われた。また、米国防総省は政権交代直前の21年1月に、中国人民解放軍の影響下にあると判断した中国企業のリストにシャオミを追加。ファーウェイなどとともに投資禁止対象企業に指定した。

ただ、シャオミはこの措置が違憲だとし、米連邦地裁に提訴。21年3月、米政府の措置は無効と連邦地裁が判断し、同年5月に正式にシャオミの指定解除が決まった。

華為、米規制でスマホ生産打撃

一方のファーウェイは米政府の禁輸措置で半導体やソフトウエアの調達が困難になり、スマホを含む消費者向け電子機器の生産量が低下。21年1〜6月期の消費者向け事業の売上高が47%減少した。

米調査会社のIDCによると21年4〜6月期のスマホ出荷ランキングは、1位からサムスン電子、シャオミ、アップル、中国OPPO(オッポ)、中国vivo(ビボ)の順。1年前に首位だったファーウェイは圏外に転落した。

こうした動きを受け、欧州の通信事業者や小売業者は取り扱い端末をファーウェイからシャオミに切り替えている。

ウォール・ストリート・ジャーナルによるとシャオミがいまだ開拓できていない市場は米国。同社は米国で電動キックボードやレーザープロジェクターなどを販売している。スマホについては米通信キャリアとのパートナーシップが十分に築けいないという。同社は、いずれ北米スマホ市場に進出したい考え。だが、当面は経営資源を欧州市場に集中させるとしている。

  • (このコラムは「JBpress Digital Innovation Review」2021年8月25日号に掲載された記事を基にその後の最新情報を加えて再編集したものです)