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ツイッター、トランプ氏サイトの共有アカウント停止、音声SNS「Clubhouse」がAndroid版

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
画像出典:donaldjtrump.com

筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]ツイッター、トランプ氏サイトの共有目的アカウントを停止

米ツイッターは、トランプ前米大統領のウェブサイトに新設されたページの書き込みをシェアする目的で作られた複数のアカウントを一時停止した。ロイターが5月7日に報じた

同4日、トランプ氏のウェブサイトに「ドナルド・トランプの執務机から」というページが追加された。ツイッターによると、「@DJTDesk」「@DJTrumpDesk」「@DeskofDJT」といったアカウントは、この新設ページのコンテンツを共有する目的で作成された。アカウント停止措置の回避を禁止する規則に違反したため、これらを停止したという。

ツイッターは21年1月6日に起きた連邦議会議事堂占拠事件を受け、トランプ氏のアカウントを永久停止にした。トランプ氏が大統領選に再出馬することがあっても措置は変えない方針。同社は、「停止されたアカウントに関するコンテンツの拡散、あるいはその受け皿を明確に意図するものに対し措置を講じる」と説明した。トランプ氏の新設ページでは、コンテンツをツイッターとフェイスブックに投稿できるボタンを設けている。

一方、米フェイスブックは連邦議会議事堂占拠事件を受けてトランプ氏のアカウントを無期限に凍結した。同社の独立監督委員会は5月5日、この措置を支持すると明らかにした。だが、アカウント再開のための申請手続きや、復活時期を判断するための仕組みを設けていないことは不適切だと批判した。6カ月以内に再検討し、適切な対応を取るよう求めている。

[2]音声SNS「Clubhouse」がAndroid版公開 米国、英語圏、全世界と段階的

写真:ロイター/アフロ

音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」を運営する米アルファ・エクスプロレーションは5月9日、Android版アプリを公開すると明らかにした。同日より米国で開始し、その後段階的に他の英語圏、全世界へと広げていく。

これまでは米アップルのスマートフォン「iPhone」のユーザーのみに提供されていた。クラブハウスがアップルのアプリストア「App Store」に登場したのは2020年9月だった。

ロイターによると、21年2月には月間ダウンロード件数が960万件へと急増した。だが、翌3月は270万件、4月は90万件と減少している。一方で、米ツイッターや米フェイスブックなどが同様のサービスを発表しており、競争が激化しそうだという。

[3]アマゾン、出品者の身元確認強化で「はがき作戦」

米アマゾン・ドット・コムが米国出品業者の身元確認を厳格化すると、米CNBCが5月7日に報じた。業者が公表している所在地にはがきを送付し、実在の名称・住所であるかどうかを確認するという。目的は偽造品や製品安全不適合品の流通を防止すること。

同社は2020年9月に新ルールを適用し、出品者の名前と所在地の公表を義務付けた。この取り組みの一環として、20年から新規出品者にはがきを送付している。21年初頭には一部の既存事業者にも送付。身元確認手続きをさらに広げるという。

アマゾンは、「安全で信頼できるショッピング体験を顧客に提供するため」と説明している。不正業者や不正商品を排除することで適正な販売業者も守れるとしている。

出品者はまず、アマゾンの専用ウェブサイト「セラー・セントラル」で社名や氏名、住所が最新のものであることを確認して手続きを開始。送付されたはがきに記載されている認証コードをウェブサイトで入力すれば手続き完了。アマゾンが偽の住所と判断した場合はアカウントを停止する。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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