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テスラCEOがプーチン大統領を「Clubhouse」に招待、保守派SNS「パーラー」が復旧

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

 今日、筆者が注目した海外発の最新テクノロジーニュース3本をダイジェストで

[1]テスラCEOがプーチン大統領を「Clubhouse」に招待

 電気自動車(EV)大手の米テスラやロケット開発会社の米スペースXのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)が、ロシアのプーチン大統領を音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」に招待したと、ロイター米CNBCが2月15日に報じた。

 同14日にツイッターへの投稿で、「クラブハウスでご一緒にお話ししませんか」とメッセージを送った。ロシア語で「あなたとお話しできれば大変光栄です」ともつづっている。

 これを受けロシアのペスコフ大統領報道官は「もちろん、非常に興味深い」と述べたという。ただ、「提案がどういう意味を持つのか理解する必要がある。まず確認する。それから対応したい」としている。「プーチン大統領は自身でSNSを使わない」とも付け加えた。

[2]保守派SNS「パーラー」、1カ月ぶり利用可能に

 トランプ前米大統領の支持者らが愛用していた新興SNS「パーラー(Parler)」が復旧したと、米ウォール・ストリート・ジャーナルロイターなどが2月15日に報じた。

 「持続可能な、独立した技術基板による新しいプラットフォーム」と説明している。ただ、ウェブサイトはまだ一部の利用者しか利用できない状態。モバイルアプリの配信も停止されたままだという。

写真:ロイター/アフロ

 パーラーは、保守系活動団体ティーパーティー・パトリオッツの創始者であるマーク・メクラー氏が暫定最高経営責任者(CEO)に就いたことも明らかにした。ジョン・マッツェ前CEOは1月29日に解任されていた。

 21年1月6日のトランプ氏支持者による米連邦議会乱入事件を受け、米グーグルと米アップルがパーラーをアプリ配信サービスから削除した。米アマゾン・ドット・コムの子会社、米アマゾン・ウェブ・サービスはクラウドサービスの提供を停止した。これにより、パーラーの利用ができなくなっていた。

[3]グーグルのニュース新サービスに豪大手メディアも参加

 オーストラリアでテレビ放送や新聞などを手掛けるメディア大手のセブン・ウエスト・メディアは、グーグルが報道機関に記事の対価を支払って提供するニュース新サービス「グーグル・ニュース・ショーケース」に参加する。

 セブンが2月15日、グーグルとの長期契約で合意したと明らかにしたロイター通信によると、オーストラリアではこれまで、オンラインの専門ニュースサイトや地方紙がグーグルと合意していた。

 豪メディア大手ではセブンが初めてだという。ニューズやナイン・エンターテインメントといった他のメディア大手は合意していない。

 グーグルは20年にドイツやブラジルでニュース・ショーケースを開始。21年2月5日にはオーストラリアでも始めた。これまでにロイターやフランスのル・モンドといった欧州や南米などの報道機関が参加しており、参加企業は世界で450社以上になった。

 一方、豪政府は20年12月、グーグルや米フェイスブックを念頭に、記事の対価を巡る交渉を義務付ける法案を議会に提出した。メディア側とIT大手の双方が合意できない場合、政府が任命する仲裁人が対価を決定する。週内にも豪議会で可決する見通しだと報じている。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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