1月5日の決選投票に注目集まる、FBとグーグルが「選挙妨害」と非難された理由

(写真:PantherMedia/イメージマート)

 米フェイスブック(FB)は先ごろ、米国で実施している政治広告の掲載停止措置をジョージア州に限って解除すると明らかにした。

 同社は大統領選の前後、政治や選挙に関連する広告の掲載を見合わせている。目的は偽情報の拡散や社会の混乱を防ぐことだ。

 だが、1月5日にジョージア州で行われる米議会上院選の決選投票を踏まえ、有権者に対する情報提供媒体としての役割は重要だと判断した。

SNSで虚偽情報まん延

 昨年の米大統領選では、バイデン氏が当選を確実にした後、トランプ氏が不正投票が行われたと主張し、SNS上で事実に基づかない主張を繰り返した。

 これに追従する形で「ストップ・ザ・スティール(盗みを阻止しろ)」などのトランプ支持派のグループが多数登場し、SNS上で虚偽と疑われる情報を拡散させた。グーグル傘下の動画配信サービス「YouTube」でも「大統領選で不正投票があった」と根拠のない主張をするチャンネルが多数現れた。

FBやグーグルの政治介入に批判の声

 フェイスブックやグーグルの政治広告一時停止措置は、こうした社会混乱への対応の一環として講じられた。しかし、2社の米国ネット広告市場におけるシェアは合わせて5割超を占める。ネット市場で影響力を持つ2社が政治介入することに対する批判が高まっていた。

 特にトランプ氏や共和党議員の多くは、SNS企業が保守的な言論を抑制しているとの批判を繰り返した。

 また、民主・共和党は、大統領選と同時に行われた連邦議会選挙を巡り、上院の多数派獲得を目指す激戦のさなか。両党とも1月5日の決選投票を控え、SNS広告を通じて支持層の投票率を上げたい考えで、フェイスブックやグーグルの措置を「選挙妨害」と非難していた。

 フェイスブックによる広告掲載停止措置の解除は、こうしたタイミングで発表された。

下院は民主党の過半数維持確定、上院は決選投票で決着

 1月5日の決選投票は米議会上下両院で多数派が異なる「ねじれ構造」が解消するか、あるいは継続するかを決める重要な選挙となる。

 全議席が改選となった連邦議会下院(定数435)選挙では民主党が222議席、共和党が210議席を固め、民主党の過半数維持が確定している(米ウォール・ストリート・ジャーナルの開票速報サイト)。

 一方、上院(定数100)は非改選を含めて共和党が50議席、民主党が48議席を固めており、残る2議席をジョージア州の決選投票で決める。

 共和党は1議席の確保で過半数を維持する。民主党は2議席を得れば共和党に並ぶ。

 議会で賛否が同数になった場合は議長が決裁票を投じて最終決定することになる。米国では副大統領が上院議長を兼務するが、次期副大統領は民主党のカマラ・ハリス上院議員が就任することになっている。

 つまり、民主党は上院であと2議席確保すれば過半数を得ると同等の力を持つことになる。