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アップル、新ディスプレー技術搭載の機器を発売か 高輝度・低消費電力が特長の「ミニLED」を採用

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
(写真:ロイター/アフロ)

 米CNBCによると、米アップルは今年、新しいディスプレー技術を用いる製品を4〜6種、市場投入する計画だという。

「iPad Pro」や「MacBook Pro」に搭載

 これは、アップル製品の市場動向やサプライチェーン情報に詳しい、中国TFインターナショナル証券の著名アナリスト、ミンチー・クオ(郭明池)氏が予測したもの。

 それによると、同社は「ミニLED」と呼ばれるディスプレー技術の採用を計画しているという。「A14X」プロセッサーを搭載するタブレット端末「iPad Pro」の12.9インチモデルに新たなディスプレーを採用し、2020年の7〜9月期に発売する。

 さらに、ノートパソコン「MacBook Pro」の16インチモデルにも同じディスプレーを採用し、同10〜12月期に発売するという。

 このほかの製品にもミニLEDを採用する計画だという。これによりアップル製品は、プロダクティビティーとエンターテインメントのいずれの用途においても利用体験が格段に向上し、大いに差別化が図れると、クオ氏はみている。

次世代のディスプレー「ミニLED」とは

 現在、アップル製品のディスプレーには液晶(LCD)と有機EL(OLED)が使われている。LEDはこれらに比べ、高輝度、低消費電力、長寿命という特長がある。

 ただ、従来のLEDはチップのサイズが大きいため、タブレットやノートパソコンなどの、高解像度が求められる中小型ディスプレーの画素としては使えない。

 そこで期待されているのが、画素として使える100μm(0.1mm)以下の「マイクロLED」。しかし、これは超小型であるために大きな課題が残っている。従来技術の延長線で生産システムを構築することが困難で、コストもかかるからだ。

 これに対し、ミニLEDは100~200μm(0.1〜0.2mm)と、マイクロLEDに比べてサイズが大きく、製造が比較的容易。液晶や有機ELに比べてコストはかかるものの、差別化を図れるディスプレー技術として注目されている。

 矢野経済研究所は、ミニLEDを採用する機器の台数が、2020年には155万台、22年には530万5000台、27年には2145万4000台になると予測している。

iPhone普及モデルの新製品や5G対応の次期iPhoneを予測

 前述したクオ氏はアップルの新製品やその発売時期を独自の調査で当ててきたことで知られる人物だ。同氏はこれまで、さまざまなアップル製品を予測している。

 先ごろはアップルが今年1〜3月期にiPhone普及モデルの新型機「SE2」とiPad Proの新型機を発売し、同4〜6月期にはMacBookの新型機と拡張現実(AR)用の眼鏡型ウエアラブル端末を発売すると報告した。

 また、同7〜9月期の発売を予定する5G通信対応の次期iPhoneは、デザインが大きく変わるとみている。前面と背面をガラス素材で覆う点はこれまでと同じだが、側面の金属フレームがより複雑な構造となり、2010年に発売した「iPhone 4」に似た平面形状になるという。

 この新デザインが次期iPhoneのセールスポイントの1つとなり、今年後半はiPhoneの販売台数が前年同期比15%増の8500万台になると予測している。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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