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Apple Watchが世界の半数占めるスマートウオッチ市場 出荷台数は過去最高更新で目覚ましい成長

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
Apple Watch(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

前年同期から56%の伸び

 米国の市場調査会社、ストラテジーアナリティクスがこのほど、まとめたレポートによると、昨年10〜12月におけるスマートウオッチの世界出荷台数は、1820万台だった。

 これは、10〜12月の出荷台数として過去最高。その前年同期からの伸び率は56%だった。スマートウオッチ市場は、目覚ましい成長を遂げたと、ストラテジーアナリティクスは報告している。

 また、昨年1年間の出荷台数は、前年比約53%増の4500万台。年間出荷台数も過去最高を更新している。スマートウオッチ市場は、スマートフォンやパソコンなどに比べて依然、規模が小さい。しかし、この市場は急成長しているという。

アップル、首位を維持もシェアが低下

 昨年10〜12月のメーカー別出荷台数は、米アップルが、前年同期から18%増の920万台となり、首位を維持した。同社の「Apple Watch」は、市場全体の半数を占めている。

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 ただ、アップルは安閑としてはいられない状況だ。同社のシェアは1年前に67.2%あったが、10〜12月は50.7%に低下した。一方、1年前にわずか4〜5%ほどのシェアしかなかった米フィットビットと韓国サムスン電子は急成長している。

 例えば、フィットビットのシェアは、4.3%から12.7%へと、ほぼ3倍に拡大した。

 また、サムスンも、5.2%から13.2%へとシェアを大きく伸ばした。サムスンの10〜12月の出荷台数は、240万台で、1年前の4倍。依然、アップルに遠く及ばないものの、出荷台数ランキングで2位に浮上した。

 ストラテジーアナリティクスによると、サムスンが昨年発売した新型スマートウオッチ「Galaxy Watch」は、北米とアジアの消費者に人気がある。

 今年は、血圧測定機能を備える「Galaxy Watch Active」を市場投入しており、こちらも好調に売れるだろうと、同社は予測している。

2020年には、1.2億台に到達か

 別の調査会社である米IDCによると、スマートウオッチの世界出荷台数は、今後、年平均13.3%の成長率で拡大し、2022年には1億2000万に達する見通し。

 ウエアラブル機器の市場では、より安価なリストバンド型機器からスマートウオッチへの移行が進んでいるが、今後、その動きが加速すると、同社は見ている。

 そして日本は、世界のスマートウオッチ出荷台数の3分の1を占めており、市場の成長に重要な役割を果たすという。

 ストラテジーアナリティクスによると、この市場における4大メーカーは、前述したアップル、サムスン、フィットビット、それに米ガーミン。この4社だけで、世界出荷台数の8割以上を占めている。

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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