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Googleもスマートディスプレーを発売へ、Amazonに迫れるか

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー
Amazonのディスプレー搭載AIアシスタント機器「Echo Show」(写真:ロイター/アフロ)

 米グーグルは今年5月に開催した開発者会議で、スマートディスプレーやAIディスプレーなどと呼ばれる、画面付きのAI(人工知能)アシスタント機器を披露した。

JBL、LG、ソニーなどから今夏登場へ

 グーグルは、2016年11月に、スマートスピーカー「Google Home」を発売し、この市場に参入した。しかし、いまだ、この分野でディスプレーを備える製品を投入していない。

 これに先立つ今年1月、同社は米ラスベガスで開催された家電ショーで、アシスタントサービス「Google Assistant」を搭載するスマートディスプレーが、協力企業のブランドで、今夏に登場すると発表していた。

  • グーグルがYouTubeで公開しているスマートディスプレーのプロモーション動画

 協力企業とは、米音響メーカーJBL、韓国家電メーカーLGエレクトロニクス、中国パソコンメーカー、レノボ・グループ(聯想集団)、ソニーなどだ。

 そして、このほどグーグルは、その詳細を明かした。これによると、これらのブランドとグーグルが共同開発するスマートディスプレーは、今年7月以降、米国で発売される。

テレビ電話、YouTubeなどのグーグルサービスを提供

 これらの製品では、テレビ電話の機能が使えたり、カレンダー(スケジュール)や、地図、テレビ、YouTube、料理のレシピといったコンテンツを映すことできる。

 さらに、同社が2017年4月に米国で始めた月額制のテレビ番組配信サービス「YouTube TV」も利用できる。こちらは、オリジナル映画、ドラマに加え、「ABC」「CBS」「FOX」「NBC」「ESPN」「Fox Sports」といった全米ネットワーク、スポーツチャンネル、主要ケーブルテレビ局でも配信されるチャンネルなど、合計50以上のチャンネルを、月額40ドルで提供するサービスだ。

アマゾンの後塵を拝す

 前述したとおり、グーグルは2016年11月に、Google Homeを市場投入し、AIアシスタント専用機器の市場に参入した。

 しかし、米アマゾン・ドットコムが「Amazon Echo」の初代機を発売したのは、2014年11月。この2年の遅れが、今もグーグルがアマゾンの後塵を拝する要因になっていると指摘されている。

 その間、アマゾンは、利用者を着実に増やしてシェアを拡大。製品ラインアップも拡充した。

 アマゾンのEchoシリーズには、現在、「Echo Plus」「Echo Show」「Echo Spot」「Echo Look」「Echo Dot」といった製品もあるが、このうち7インチのディスプレーを備えるEcho Showは昨年6月に米国で発売された。日本では、直径2.5インチの丸形ディスプレーを備えるEcho Spotの出荷が今年7月26日に始まる(写真1)。

写真1 アマゾン、日本でもEcho Spotを発売(出典:米アマゾン・ドットコム)
写真1 アマゾン、日本でもEcho Spotを発売(出典:米アマゾン・ドットコム)

 米国の市場調査会社CIRP(コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ)の統計によると、昨年10〜12月期の米国における、アマゾン製品の利用台数は、3100万台で、そのシェアは69%。これに対し、グーグル製品は、1400万台で、シェアは31%にとどまる。

 また、別の調査会社である米eマーケターは、アマゾン製品の米国利用者シェアは、今年66.6%となり、引き続きグーグル(29.5%)を大きく上回ると予測している。

(このコラムは「JBpress」2018年5月10日号に掲載した記事をもとに、その後の最新情報を加えて編集したものです)

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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