2018年にもApple Glass登場か

「時間はかかるが、やがて実現する」と拡張現実について語るAppleのクックCEO(写真:ロイター/アフロ)

海外の通信社やメディアの報道によると、米アップルは眼鏡型のウエアラブル端末の製品化について検討しているという。

その端末は無線でiPhoneと接続し、画像などのデジタル情報をユーザーの視界に表示するものになると、事情に詳しい関係者は話している。

拡張現実搭載の眼鏡型端末

アップルは、目の前の現実の場面に、連係するデジタル情報を重ね合わせて表示する拡張現実(AR:augmented reality)の技術を採用する可能性があるという。

また情報筋は、アップルがすでにこの眼鏡型ウエアラブル端末のプロジェクトに関して複数の部品メーカーと協議したと話している。同社はそのうちの1社にディスプレー部品を注文した。

ただ、現在のところその部品は試験を目的としたものであり、今回の発注は、今すぐにも量産が始まることを意味するものではないという。

その一方で、もしアップルがプロジェクトを本格的に進めることを決定すれば、早ければ2018年にもアップル製眼鏡型端末が市場投入される可能性があると関係者は話している。

拡張現実と仮想現実の第一人者を採用

こうしたアップルの拡張現実分野の研究開発については、これまで様々に伝えられている。

同社は今年、拡張現実および仮想現実(VR:virtual reality)の研究分野で第一人者と言われるダグ・ボウマン氏という人物を雇い入れた。

同氏は、バージニア工科大学のコンピューター科学の教授で、同大学のヒューマンコンピューターインタラクション・センターのディレクターを務めていた人物。3次元(3D)ユーザーインターフェースの設計と、仮想環境の有益性に関する研究が専門で、その研究範囲は、仮想現実と拡張現実の両分野に及ぶ。

数々の企業買収、専門の研究部門も設置

またアップルには、これらの技術を研究する数百人規模の部門があり、そこには同社がこれまで買収してきた数々の企業の人材がいるとも伝えられている。

海外メディアの報道によると、アップルでは2000年代半ばに故スティーブ・ジョブズ氏の指揮の下、仮想現実用ヘッドセットの開発が行われていたが、技術が未完成のまま計画は中止された。

しかし、米フェイスブックが約20億ドルで仮想現実用ヘッドセットを開発するオキュラスVRを買収した頃から、アップルのこの分野における興味が再燃したと言われている。

同社は2013年に3Dモーショントラッキング技術を手がけるイスラエルのプライムセンス(PrimeSense)を買収し、昨年5月には拡張現実用アプリケーションの開発ソフトウエアや、現実のテーブルの表面などを大型タッチスクリーンとして利用するためのウエアラブル技術を手がけるドイツのメタイオ(Metaio)を買収。

同年11月には、モーションキャプチャーを使い、人間の表情をリアルタイムでアバターなどのデジタルフィギュアに反映させる技術を手がけるスイスのフェースシフト(Faceshift)を買収した。

また今年は、顔の表情から感情を読み取る人工知能(AI)技術を手がける米エモティエント(Emotient)を買収したとも伝えられた。

クックCEO、「時間はかかるが、やがて実現する」

今回の眼鏡型端末の製品化に関するニュースを最初に伝えた米ブルームバーグによると、アップルのティム・クックCEOはかつて次のように述べていたという。

「拡張現実には、いくつかの技術的な課題があるため、実現にはしばらく時間がかかるだろう。しかし、やがては大きな成功とともに現実のものになる」

「そのとき我々は、今までそれなしで一体どのようにして生活していたのだろうと不思議に思うだろう。ちょうど我々が今、かつて自分がスマートフォンなしで、どのように生活していたのかと不思議に思うように」

JBpress:2016年11月17日号に掲載/原題「iPhoneと連携する眼鏡型ウエアラブルが登場か、早ければ2018年にも市場投入されるとの観測」)