米音楽販売、ついにストリーミングが最大シェアに 「Apple Music」などの有料サービスが急成長

昨年6月30日に世界100カ国以上で始まった「Apple Music 」

全米レコード協会(RIAA)が3月22日までにまとめた米国音楽販売統計によると、昨年(2015年)1年間における同国の音楽売上高は小売りベースで70億ドルとなり、前年から0.9%増加した。

ストリーミング、20億ドルの大台突破

米アップルの「Apple Music」や英スポティファイ(Spotify)に代表される音楽ストリーミングサービスが堅調に伸びており、ダウンロード販売や、CDなどの物理メディア販売の落ち込みを補った。

これにより昨年の卸売り売上高は0.8%増の49億5000万ドルとなり、5年連続で前年実績を上回った。

RIAAによると、2015年は節目の年だった。というのも米国音楽販売の形態別売上高は、ストリーミングサービスが全体の34.3%を占め、これにダウンロード販売の34.0%、物理メディア販売の28.8%と続いたからだ。

ストリーミングサービスの売上高がほかの販売形態の売上高を上回り、最大のシェアを占めたのは初めて。そのダウンロード販売との差はまだわずかだが、消費者の音楽の楽しみ方に変化が表れていることがこの統計ではっきりと示された。

この音楽ストリーミングサービスには次の3つの形態があり、昨年はそのいずれもが売り上げを伸ばした。

(1)有料の会員制サービス(Apple Music、Spotify、TIDALなど)

(2)インターネットラジオ/衛星ラジオ(Pandora、SIRIUS XMなど)

(3)無料オンデマンドサービス(YouTube、Vevoなどの動画配信サービスと、広告付き音楽配信サービス)

これらの合計売上高は前年比29%増の24億ドルとなり、初めて20億ドルの大台を突破した。

またこのうち、最も売上高が多く、成長が速いのは(1)の有料会員制サービスで、その昨年における売上高は前年比52%増の12億ドルとなった。有料会員制サービスの契約件数は前年の770万件から1080万件へと40%増加している。

デジタル配信への移行、さらに進む

このほか、米国音楽販売の形態を大別して見ると、デジタル配信(ストリーミングサービス、ダウンロード販売、着信・呼び出しメロディー販売)の売上比率が70%、物理メディア販売(CD、アナログレコードなど)が残りの30%。この比率は一昨年時点で、それぞれ67%と33%だった。

ただ、アップルの「iTunes Store」に代表されるダウンロード販売の売上高は23億ドルと、前年から10%減少しており、ストリーミングサービスがダウンロード販売の減少分を補う以上に成長していることが示された。

デジタル配信全体の昨年の売上高は、前年比6%増の48億ドルに拡大した。

LPレコードが27年ぶりの高水準

一方で物理メディアの売上高は同10%減の20億ドルとなった。このうちCD売上げは前年から17%減の15億ドル。

これに対し、アナログレコード(LP盤)は同32%増の4億1600万ドルとなり、1988以来27年ぶりの高水準を記録した。この金額は前述の無料オンデマンドサービス(3億8500万ドル)を上回っている。

JBpress:2016年3月24日号に掲載)