金正恩氏のもう一つの顔は「深夜の走り屋」

飛行機の操縦席に座った金正恩氏。乗り物が大好きだと言われる

北朝鮮の国営メディア「朝鮮中央通信」によると、朝鮮労働党の金養建(キム・ ヤンゴン)書記(享年73才)が12月29日未明、交通事故で死去した。金養建氏は、韓国との交渉経験も豊富で、北朝鮮外交のキーパーソンの一人だ。

一部では「交通事故死」の発表を、額面通りにとらえて良いものか、との指摘も出ている。かつて北朝鮮国内の権力闘争とのからみで、自動車事故を装った「謀殺説」が出回っていたためだ。

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しかし筆者は、今回の件は交通事故だったと見ている。仮に金正恩氏にとって、金養建氏が除去しなければならない存在だったとしても、 わざわざ交通事故による暗殺という回りくどい方法を取る必要はない。何故なら金正恩氏は、裁判すらせずに側近を処刑していると言われているのだから。

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それに金養建氏の遺体を対面した金正恩氏の表情は、意外にも本当に悲しそうに見える。

さらに、「平壌で交通事故は決して珍しい話でもない」と語るのは、ある脱北官僚だ。

「北朝鮮の指導層は、頻繁に酒宴を開く。なかには、酔っ払ったまま車に乗って帰る人物もいる。しかも交通量が少ないから、時速100キロぐらいで飛ばすのは当たり前だ」

しかしだからこそ、金正恩氏は金養建氏の悲報に肝を冷やした可能性がある。

現地指導の際、直属の親衛隊に守られて、トイレさえも自由に行けず、専用車のベンツに「代用品」を載せる正恩氏だが、時折、突拍子もない行動で護衛部隊を困らせているという。さらに、平壌市民の間では、「元帥様(金正恩氏)が、夜中にこっそり専用ベンツに乗って平壌市内をドライブしている」という噂が広がっている。

(参考記事:金正恩氏が一般人と同じトイレを使えない訳

(参考記事:正恩氏、もう一つの顔は深夜の走り屋

正恩氏が、深夜の平壌ドライブでストレスを発散しているのか、あるいは元々「走り屋」体質なのだろうか。いずれにせよ、北朝鮮の指導層が正月をどのように過ごすのかは分からないが、政治では暴走しても、運転ではスピードの出し過ぎに注意するのが本人のためだろう。