金正恩氏が外国首脳から「敬遠」される理由

北朝鮮の金正恩第1書記/労働新聞より

朝鮮民主主義人民共和国が9月9日で建国67周年を迎えたのに際し、各国首脳から金正恩第1書記あてに祝電などが送られている。

朝鮮中央通信は、9月9日午前までに中国やロシア、キューバなど21の国名を報道

続いて15日までに20カ国の国名を、さらに9月25日までに14カ国の名を報じた。

このうち1カ国(カンボジア)は花かごの贈呈と祝電で重複しているので、合計55カ国の名前が伝えられたことになる。

その多くは、中東を含むアジア、アフリカ、旧ソ連圏など東欧の国々だ。北朝鮮が、これらの国々と強い結びつき(とりわけ軍事的に)を持っており、一般的に思われているほど世界から孤立していないということは、以前にも指摘した。

しかし、西欧の自由主義圏で「祝電リスト」に名前が挙がったのは、4カ国だけだ。祝電報道がこれで打ち止めかどうかはわからないが、グローバル時代の国家指導を担う金正恩氏の外交は、やはり新たな広がりに欠けていると言える。

それもそうだろう。米国とキューバが国交を回復し、北朝鮮が置き去りにされている様を見れば、北朝鮮が外交関係を広げられない理由がわかる。

キューバ政府は、米国との国交正常化交渉入りに伴い約束していた政治犯53人全員の釈放を実行した。一方、北朝鮮の政治犯収容所ではすでに万単位、あるいは十万単位の人々が凄惨な虐待の末に殺されている。そして今なお、同じくらいの数の人々が囚われ、虐待を受けているのである。

そのうえ北朝鮮の場合、残虐な処刑現場が衛星画像で確認されてしまっているとあっては、「そんな独裁者に祝電など、そんなヤバいものは送りたくない」と思われてしまうのがむしろ自然だろう。

そんなことなど意に介さず、折に触れて熱い応援のメッセージを交換する盟友が正恩氏にもいることはいるのだけれど。