金正恩氏がこよなく愛する北朝鮮空軍の「生みの親」は旧日本軍パイロットだった!

北朝鮮は朝鮮人民軍創設67周年となる2月8日、各メディアを通じて故・金日成主席の業績を大々的に称揚するとともに、金正恩第1書記へのさらなる忠誠心を求めている。

北朝鮮では、1977年までは2月8日が軍の創設記念日として祝われていたが、その翌年からは金主席が旧満州で抗日遊撃隊を組織したとされる1932年4月25日を建軍記念日としていた。「2.8文化会館」や「2.8芸術映画撮影所」などの施設名も「4.25文化会館」「4.25芸術映画撮影所」に変えられ、2月8日が祝われることはなくなっていた。

ここへきて方針が変わったのは、祖父である金主席と容貌が似ているとされる正恩氏が、祖父のスタイルや業績にあやかることで、国民の歓心を得ようと考えているためと思われる。

北朝鮮は、オバマ大統領が1月22日に「北朝鮮はいずれ崩壊する」と述べたことに反発し、米空母攻撃を想定した訓練を繰り返すなど威嚇を続けている。

正恩氏が軍創設の件で祖父にあやかろうとしているのも、パルチザンとして誕生した軍事力を、米軍相手に朝鮮戦争を戦うまでの「正規軍」に育てた「偉大な主席」と自分をだぶらせ、米軍が相手であろうとも「いつでもやってやる」という姿勢を示すためだろう。

正恩氏が、朝鮮人民軍の中でも、とりわけ空軍を愛しているらしいことは、以前この欄でも伝えた。

韓国国防部は1月25日に発表した「北朝鮮と周辺国の軍事力現況」で、北朝鮮が空軍兵力を拡大する一方、陸軍は縮小していると指摘。

また、正恩氏の新たな側近である元空軍司令官の李炳哲(リ・ビョンチョル)氏は、12月8日に労働党副部長となり、そのわずか1カ月後には労働党第1副部長に昇進している。朝鮮労働党内の地位と権限は、副部長よりも第1副部長が大きく上回る。

ところで、そんな北朝鮮空軍の「生みの親」とも言える軍人が、名古屋航空兵学校を卒業した旧日本軍パイロットであったことはあまり知られていない。

金日成は軍創設当時、陸軍と海軍の要職には抗日パルチザン派を登用したが、さすがに特殊な技量が求められる空軍においては、日本軍で高度な経験を積んだ人材を無視できなかったのだ。

北朝鮮という国家は極めてプライドが高く、何から何まで自前で築き上げてきたと主張する。しかし歴史をひもとけば、彼らが仇敵と位置づける「大日本帝国軍」が、北朝鮮空軍に多大なる影響を及ぼしたというのは、なんとも皮肉なエピソードだ。