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大坂なおみが、大阪で凱旋勝利、PPOテニスベスト8へ「大坂が、大阪で勝ったらいいんじゃないかな!?」

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
大阪で開催されている東レPPOでベスト8入りを決め、大阪のファンの声援に答える大坂(写真/神 仁司)
大阪で開催されている東レPPOでベスト8入りを決め、大阪のファンの声援に答える大坂(写真/神 仁司)

 大阪のITC靭テニスセンターで開催されている東レ パン パシフィック オープンテニス(以下東レPPO)の2回戦で、第1シードの大坂なおみ(WTAランキング1位、以下同)が、予選から勝ち上がったビクトリヤ・トモバ(181位、ブルガリア)を、7-5、6-3で破って2年連続でベスト8進出を決めた。

「すごく勝ちたかったので、とてもナーバスでした。勝ってホッとしている」と振り返った大坂は、試合の出だしで硬さがあり、第1セットの第1ゲームと第3ゲームでブレークされて、いきなり0-3となって苦しいスタートとなった。

 トモバは、大坂のバックサイドにボールを集めて、大坂の得意のフォアハンドストロークを極力打たせないようにした。大坂は、思うようにフォアハンドストロークが打てず、バックハンドストロークを打っている中でミスをして、我慢を強いられる場面も多かったが、第1セット第4ゲームで、初めてトモバのサービスをブレークに成功すると、徐々に試合の流れを握れるようになっていった。

 第2セットも、大坂が第1ゲームで先にサービスブレークを許した。だが、第4ゲームでブレークバックしてからは、「この試合の主導権を握るのは私だと思っていた」という大坂が、強力なファーストサーブを決めると共に、フォアハンドストロークの冴えを見せ始めて、最後は地力に勝る大坂がストレート勝利を収めた。

 準々決勝で大坂は、予選から勝ち上がったバルバラ・フリンク(149位、ロシア)とユリア・プティンツェバ(36位、カザフスタン)の勝者と対戦する。

 大阪は、大坂が生まれた場所で、3歳まで過ごした思い出の地でもある。

 その場所に、大坂は、グランドスラムチャンピオンになり、さらに世界ナンバーワン選手にもなった経験を経て、帰って来た。

 さらに今回5年ぶりに訪れた大阪で、大会開幕直前には、大阪府から「大阪感動大賞」、大阪市から「市長特別表彰」を受け取って、また1つ良い思い出が増えた。

「大坂が、大阪で勝ったら、いいんじゃないかな!?  勝たないとね」と笑顔を見せた大坂は、日本で開催される数少ないWTAツアー大会である、東レPPOでの初優勝を渇望している。今季、1月のオーストラリアンオープン以降、優勝がない大坂にとっては是が非でも欲しいタイトルだ。大阪での優勝を何とか成し遂げて、大坂は再び上昇気流に乗りたいところだ。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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