防災・復興も総選挙の重要なテーマ~レジリエント社会へ向けての政策を!

大月市災害ボランティア養成講座での実践訓練

 総選挙が間近に迫るなか、各政党は政策提言をまとめつつある。気がかりなのは、災害対策や復興支援策などが今回の総選挙ではあまり争点にされていないことだ。いうまでもなく日本は災害大国だ。阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など大きな地震による災害が相次いだ。地震だけではない。さらに大きな地震も想定されている。東海地震と東南海地震、南海地震はしばしば連動して発生してきた。更に規模の大きな巨大地震となった例がある。もしこれが起これば、非常に大きな犠牲者がでると予想されている。多くの社会政策や経済政策などは吹っ飛んでしまう事態だ。

 地震だけではない。日本は台風・洪水大国でもある。地球温暖化と関係があるのかはまだ解明される必要があるが、世界的にも台風やハリケーンは大型化しつつあるといわれる。また干ばつと洪水もより深刻な被害をもたらすようになっている。日本でも洪水被害は頻発している、今年に限っても幾つかの台風が大きな災害をもたらした。これらはまだ記憶に新しい。

 台風5号もその一つだ。台風5号は台風6号との「藤原の効果」により大きな楕円を描くような進路を取ったことや、台風を移動させる上空の風が弱かったために、極めて寿命が短く、滞在期間が長い台風となった。大きな被害を各地に残した。

 山梨県大月市はこの台風5号の被害を受けた町の一つだ。大月市は台風5号の影響によって記録的な大雨に見舞われた。短時間で記録的な豪雨となり、土砂崩れが相次いだ。大月市では8月7日、台風5号の影響で1時間に最大99ミリの猛烈な雨を記録したというから半端ではなかった。1日で8月の平年の雨量を超える量の雨が降ったという。通行止めだった道が開通したのはつい最近のことだ。

 こうした自然災害を受けた大月市で大月市社会福祉協議会主催の災害ボランティア養成講座が開催された。講師は、青年会議所などの事業を通じて防災・災害復興支援の活動を行ってきた土屋和也氏(日本地域創生学会首都圏支部長・http://jsle.jp/)であった。一般社団法人DPLS-JAPANとDRT-JAPANのコラボによるイベントだ。市民の防災減災への意識が高まる中での開催は意味がある。日本全体では確かに洪水などの災害は毎年、起こっているが自分の町に限定すると、多くは何十年に一度の場合が多い。「災害は忘れた頃にやってくる」の言葉のとおり、いずれ災害はまたやってくる。被害を受けた時にしっかりとハードもソフトも含めた対策を行うことが大切だ。

 土屋氏は、普段からどうすれば災害から地域を、自分たちを守れるのか、そしてBCP(Business Continuity Plan~事業継続計画~災害等の不測の事態を想定して事業継続の視点から対応策をまとめたもの)の視点を用いて普段からの備えを考える重要性を話した。防災や災害復興において企業の視点も入れることは重要だ。災害は多くのものを破壊する。企業・経済活動の維持・復旧は復興において大きなポイントになる。生活基盤がなくなっては、復興は極めて難しく、時間がかかる。

 またこの災害ボランティア養成講座では、実践訓練(炊き出しや家屋倒壊を想定した救助方等)も行われた。災害が起きる前にどのような対策をして、起きた時にどのような対応ができるのか。自然災害は突発的にやってくる。避けられない場合が多い。それに対応する力、つまりレジリエント力が重要なのだ。

 レジリエントとは英語の“resilient”(名詞形)で、一般的には「(困難に)負けない」「抵抗力のある」という意味だ。最近は、防災の分野でも使われるコンセプトで、「防災力」とも訳される。つまり災害が起きてもレジリエントな(抵抗力がある・復興力がある)なまちづくりを目指そうということである。レジリエント社会、レジリエント国家をいかにつくるかが今後の課題だ。ソフト・ハードの両面から何が起こってもしっかりと対応し、復興していく社会を目指す。そのための政策はどうあるべきか。国民の意識改革も大切なポイントだ。

 間近に迫った衆議院解散総選挙でもぜひ、防災・復興対策も議論をしてほしい。災害大国日本において最重要課題のひとつであることは間違いない。